2021年8月23日 【医歯大】武田薬品工業とのヘテロ核酸医薬共同研究を推進

東京医科歯科大学は、神経難病の克服に向けて本学発の基盤技術であるヘテロ核酸医薬に関する武田薬品との共同研究を行っている。この共同研究に係る契約には、東京医歯大が所有する特許のライセンス許諾が含まれている。東京医歯大は契約一時金と共同研究費を受領しているが、研究の進捗によってマイルストーンフィーが支払われる可能性がある。さらに、将来の売上に応じたロイヤルティを受領する権利を取得する。

この共同研究は、開始以来3年間で順調に進展。成果の一部である血液脳関門通過型ヘテロ核酸技術は、このほど世界的学術誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」(インパクトファクター=54.908)に掲載された。

アンチセンス核酸は細胞内のRNAを治療標的とし、従来の低分子量化合物や抗体等の医薬品では制御が難しい細胞内の遺伝子を標的にして治療するための有望なバイオ医薬。特にここ数年急速に発展しており、神経・筋疾患治療薬として相次いで核酸医薬品が承認されている。

東京医歯大の横田隆徳教授(大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野)らは、従来のRNAを標的とした1本鎖アンチセンス核酸の効果を大幅に向上できるDNA/RNAヘテロ2本鎖核酸(HDO)を開発した。

さらにこの技術を発展させて、従来の核酸医薬では効率よく通過できなかった血液脳関門の突破を可能にした革新的な核酸医薬である「血液脳関門((BBB))通過型ヘテロ2本鎖核酸」が、今回、ネイチャー・バイオテクノロジー掲載された。

今回の武田薬品との共同研究では、この技術をさらに改良するとともに、いくつかの遺伝子を標的にして神経難病の克服のための創薬研究を進めている。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.