北陸先端科学技術大学院大学共創インテリジェンス研究領域の水本正晴准教授は、日本語話者と英語話者の真理述語の使用の大きな違いを実験によって発見した。特に、両者の差は、道徳・政治的に不適切な文脈のみにみられ、またその影響は日本人にのみ存在したという。この実験結果は日本人の〝真理〟に関する考え方の特殊性を示すといえ、一つの解釈では、日本人は〝真理〟よりも〝道徳〟を重視するということもできる。
この研究は、〝真理〟に関する初の交言語的(cross-linguistic)な観点からの経験的研究で、実験哲学の新たな領域を切り開くものといえる。
また、今回の結果は、言語学や哲学で広く使用されている〝真理〟によって意味を説明する真理条件的意味論というものについて、再考を促すことにも繋がる。