2021年7月30日 【北里大】新型コロナ後遺症外来を設置

北里大学東洋医学総合研究所(東医研)では、今年1月から「漢方オンライン風邪(かぜ)外来」で、新型コロナウイルス感染症後遺症の診療を実施しているが、後遺症に関する相談・診療の増加を受け、新たに対面での「新型コロナウイルス感染症後遺症外来」を新設し、6月7日から診療活動を行っている。

新型コロナウイルス感染症に罹患後、症状が改善し回復後も持続的な症状を有する、いわゆる後遺症ついては、英国では国立衛生研究所(NIHR)が後遺症とされる症状を「ロングCOVID」と呼ぶなど、こうした後遺症症状の緩和・治療は喫緊の課題となっている。

東医研では、これまで培ってきた漢方医学に関するさまざまな研究成果や診療実績に基づき、今年1月から「漢方オンライン風邪(かぜ)外来」で新型コロナウイルス感染症後遺症の診療を開始し、後遺症患者の診療を実施してきたが、国内での新型コロナウイルス感染症患者増加の影響もあり、後遺症に関する相談・診療が増加の一途をたどっている。

こうした社会的状況から、後遺症に関する専門外来の必要性を鑑み、今回、新たに後遺症外来を発足した。

後遺症の症状は倦怠感、頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・

味覚障害などさまざまだが、発症原因がわかっていないため西洋医学での対応は鎮痛薬や抗不安薬、睡眠薬の服用などに限定され、根本的な解決につながらないケースが多いのが現状。

無理をせずに徐々に日常生活に戻すことが早期の回復につながると考えられているが、全身のバランスを調整する効果のある漢方薬には回復促進効果が期待される。

今回設置した後遺症外来では、漢方専門医が後遺症の症状を詳細に診察し、患者自身の希望も踏まえた最善の漢方薬を提案・処方する。

後遺症外来での患者の治療と並行し、計画していた後遺症に対する漢方薬の有用性に関する臨床研究「新型コロナウイルス感染症罹患後の後遺症症状(Long COVID)に対する漢方薬治療の効果と安全性についての実態調査」を日本東洋医学会と連携して、7月から開始した。同大では、後遺症に対する治療効果をより高めるべく、後遺症治療の研究にも積極的に取り組む方針だ。


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