大学入試センターと東京農工大学の研究グループが、2017年と18年に実施した大学入試共通テスト試行調査での国語の記述問題手書き問題の解答を、共に最先端の文字認識技術と自動言語処理技術を用いて採点した結果、人間の祭典システムとほぼ一致したことがわかった。手書き文字答案の大規模な自動採点はわが国で初の試み。この研究成果は9月25日にオンライン配信される日本テスト学会第19回大会で発表される。
この大規模自動採点を行ったのは、入試センターの石岡恒憲教授と農工大の中川正樹特任教授の研究グループ。
記述式問題、検討会議は「実現困難」
記述式試験は一般の多肢選択に比べて真正、すなわち測りたいことを直接的に計っているとされ、採点が適切に、かつ受容可能な時間で処理できるなら、潜在的な利用の可能性は極めて大きいといえる。
文部科学省でも〝思考力・表現力・判断力〟を測定することを目的に、大学入学共通テストの導入が検討されてきた。同省の検討会議では、2025年以降の共通テストでの国語・数学での記述式問題導入などに関して、〝実現困難〟とする提言を出したが、同省では、記述式問題の充実など入試改革に積極的に取り組む大学に対して、補助金を増やす仕組みを設けることも視野に入れている。
個別大学でも、採点者による採点のばらつきやミス、あるいは採点にかかる手間の問題は大きく、自動採点が望まれている。