京都大学大学院情報学研究科の原田博司教授の研究グループは、次世代スマートメーター向けの通信規格として期待されている国際無線通信規格Wi‐SUN FAN(フィールドエリアネットワーク)を搭載したIoT用途向けのゲートウェイを新たに開発した。さらに、このIoTゲートウェイを用いて生体データや環境データをWi-SUN FANで多段中継してクラウドまで伝送するアプリケーションを開発。医療機関での実証実験に成功した。このアプリは、体温計や血圧計、活動量計、体重計、血中酸素濃度計、非接触体温計の6種類のBLEセンサー、USBカードリーダの接続に対応する。
IoTゲートウェイは、端末とインターネットを介した遠隔のサーバ(クラウド)がデータのやりとりをする際、中継する役割を担うルータのような機能を備えた機器を指す。
今回開発したIoTゲートウェイはスマートフォンバッテリーからの給電も可能。さらに、ログやWi‐SUN伝送情報を取得、蓄積することができるため、広範囲にIoTゲートウェイを配置した大規模実証実験が可能となる。
また、IoTゲートウェイとアプリケーション、パブリッククラウドを統合したシステムは、新たなセンサーを追加する場合にもBLE部分だけで接続が完了するため、医療や災害用とだけでなく、工場やスマートシティへの活用も期待できる。開発したIoTゲートウェイは、5月末を目標に商用化する予定。