2022年2月3日 【九大】SNSアプリと深層学習による街や海岸での投棄プラごみ量分析技術の確立

海に漂流・漂着するプラスチックごみの80%は陸起源といわれているが、街中や海岸に捨てられたプラスチックごみの総量(個数や重量)や、ゴミが海に流れ出る量を、実際に求めることは簡単ではない。こうした現状を受けて、九州大学と鹿児島大学、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、㈱ピリカ(東京都渋谷区)は、共同でごみ拾いSNS『ピリカ』を活用して、ごみ散乱状況分析の実証実験を開始した。このプロジェクトは今年1月から2025年3月末まで実施予定で、ごみの散乱状況の現状を、参加型で継続的かつ定量的に調査を行う体制の構築を目指す。

この実証実験を行っているのは、九大応用力学研究所の磯辺篤彦教授と、鹿児島大学術研究院の加古真一郎准教授、さらにJAMSTEC付加価値情報創生部門の松岡大祐副主任研究員ら。㈱ピリカとともに、街中や海岸に捨てられたプラスチックごみの画像を収集し、総量の算定に取り組む参加型の研究プロジェクトを開始した。

プロジェクトでは、㈱ピリカの提供する無償のスマートフォン(スマホ)アプリである「ごみ拾いSNS『ピリカ』」を利用する。このアプリをインストールしたスマホで、地域社会のみなさんが街や海岸のプラスチックごみを撮影すれば、これらの画像が日時や位置情報とともに、鹿児島大やJAMSTECに送信される。

この画像データから、深層学習を用いてプラスチックごみを抽出し、ごみの種類(ペットボトル、レジ袋など)や被覆面積を自動判別する仕組み。多くの画像データを集めることで、種類別のプラスチックごみ量の推算や、時間変化の追跡に取り組む。スマホアプリは㈱ピリカのウェブサイト(https://sns.pirika.org)からダウンロードすることができる。現在の日本語版に加えて、今年度末までにはタイ語版をリリースする予定。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.