中央大学商学部の斎藤正武教授が企業と共同開発した中高生向けの本格的なプログラミング言語教育のカリキュラムが、無償公開されている。カリキュラムのプログラミング言語には、AIなどの分野で人気が高いPythonを使用。7月19日から一般公開しており、教育機関であれば、事前の許諾や連絡不要でカリキュラムを無償で利用できる。
斎藤教授は、STEM教育を行う教育ブランド「m.PIME」(運営:㈱思隆社、㈱教育科学研究者)と共同で、カリキュラムを開発した。
AIやビッグデータなど最新テクノロジーによって産業の形が劇的に変化するなか、プログラミング教育を通じてプログラミング的思考やコンピュータを理解し活用していく力を身に付けることの重要性が増している。2020年度からは小学校でプログラミング教育の必修化が始まり、数年後には大学入学共通テストへの導入も検討されている。
しかし、現行の小中学校で採用されているプログラミング教育は、主にScratchなどのブロックプログラミングと呼ばれるスタイルで、プログラミングの基本的な仕組みや構造を学ぶ教育的なレベルに留まっていた。このため、小中学校で身に付く基礎的知識のレベルから、社会で通用する一般的なプログラミング知識のレベルまで、どのように育成するかが、教育上の課題となっていた。
そこで、斎藤教授は、同大の地元・八王子市へのプログラミングの出前授業や、中央大の附属中学・高校へのプログラミング指導を行ってきたこれまでのノウハウを生かし、中高生向けの本格的なプログラミング教育をカリキュラムかした。より早期のうちから本格的なプログラミング教育を受講できるようになることで、若者の情報活用能力のさらなる育成強化が期待される。