中央大学法学部の海部健三教授らの研究グループは、2003年以降シラスウナギ採捕が行われていない岡山県児島湾で、ニホンウナギの個体数が回復しておらず、むしろ減少を続けていることを示す論文を発表した。この論文は、最も厳しいシラスウナギ個体群を回復させることが難しいことを示唆した初めての研究成果。ニホンウナギの保全と持続的利用を実現するためには、地域でのシラスウナギの漁業管理だけでなく、分布域である東アジア全域での協力に基づき、天然ウナギ漁や生育場の環境回復など幅広い対策を進めることが必要とされている。
一方で、この研究から得られた結果から、シラスウナギ採捕が日本ウナギの減少に関与していないとする結論を導くことはできないとしている。