パーソナルモビリティを展開するWHILLが、病院内の患者らの移動を自動運転で支えるシステムの構築を進めている。
今月16日、出産後の女性を病室まで自動運転で移動させる実証実験を国立成育医療研究センターで始めたと発表。外来や空港などで使うケースはこれまでもあったが、病棟の中は国内初だという。
WHILLは安全性や利便性を追求していき、患者と職員の負担軽減、業務の効率化につなげていく考え。「現在の病室前までのサービスに留まらず、病室内まで自動運転で入っていくシステムの構築も検討していく」との意向を示している。
取材に応じた広報担当者は、老人ホームなどでも有効に活用できるかどうか引き続き可能性を探っていくと話した。深刻な人手不足に苦しむ介護現場ではソリューションへの関心が高く、今後の取り組みの進展が強く期待されている。
WHILLはこのほかにも、外来患者を目的地まで自動運転で移動させる実証実験を大阪大学病院で新たに開始した。昨年9月から始めている慶應大学病院での実証実験は、今月からエリアを拡張して更に推進していくという。
WHILLの自動運転システムは複数の機体を管理・運用するもの。センサー群で検知した周囲の状況と地図情報などを照らし合わせ、電動車いすの自動走行と自動の無人返却を可能とする革新的なデザインとなっている。