2023年4月6日 Webサイト「にっぽん伝統食図鑑」を開設 伝統的な加工食品や日本の奥深い発酵文化を紹介

農林水産省は、各地域で選定された伝統的な加工食品を紹介するWebサイト「にっぽん伝統食図鑑」を3月7日に開設した。このWebサイトでは、伝統食の特徴、歴史、地域における保護・継承の取組やアレンジレシピ等についてデータベース化している。伝統食の魅力を再発見し、家庭での調理、外食企業でのメニュー化・商品開発、海外への発信・普及などに利用されることが期待される。

 

農林水産省プレスリリースより

「にっぽん伝統食図鑑」は、地域固有の多様な食文化の保護・継承、認知拡大、輸出促進を目的としたWebサイト。伝統的な加工食品を17のカテゴリーに分類し、各地域で選定された伝統食(地域の食材を基に、気候・風土など地域の特性を活用し、保存性、食味などを工夫しながら長年製造されてきた食品)の特徴、歴史、地域における保護・継承の取組やアレンジレシピなどをデータベース化している。さらに、日本の伝統食に欠かすことのできない発酵文化についても併せて紹介している。

また、英語版Webサイトも同時に開設されている。

 

Webサイト開設の背景・目的

日本国内では、古くから受け継がれている伝統食や、それを活用した料理に関する情報が各地に存在するものの、集約されていないことが課題だった。

また、海外で日本食レストラン数が約15万9000店(令和3年時点)を達成するなど、健康的で持続可能な食生活への関心の高まりから、日本の食文化や発酵食品に注目が集まり、海外向け情報の充実が求められてきた。

そのため、農林水産所はユネスコ無形文化遺産「和食:日本人の伝統的な食文化」が登録されて10周年を迎える今年、伝統食の「保護・継承」、「認知拡大」、「輸出拡大の促進」を目的に日本の各地域が誇る伝統食の情報をデータベース化し、国内外に発信する「にっぽん伝統食図鑑」を作成した。

 

Webサイトのコンテンツ

伝統食の選定基準

加工食品を基本とし、歴史性・地域性があるものや伝統的な製法を用いているものなどを中心に選んで情報を掲載している。具体的な選定基準として、「加工食品であること」、「入手ができること」、「地域性があること」、「伝統的な製法または保存技術を用いていること」、「歴史性があること」を必須項目、「持続性(公共性)があること」、「輸出可能であること」を推奨項目としている。

伝統食の分類

伝統食を17種類に分類している。具体的には、▽農産:穀類、豆腐加工品、漬物、醤油・味噌・その他調味料、その他農産加工品 ▽水産:乾物、塩漬け、調味加工品、練り物、くん製品、水産発酵食品、節類、海藻製品、その他水産加工品 ▽畜産:畜産加工品 ▽その他:菓子類、飲料 ― といったカテゴリーごとに、歴史、文化、特徴、種類などを説明している。

地域の伝統食・アレンジレシピ

各地域で選定された地域固有の伝統食や、アレンジレシピを紹介している。エリア検索も可能。令和4年度は福井県、奈良県、熊本県の情報(各県20品目/合計60品目)を掲載している。このうち各県5品目、合計15品目は英語版Webサイトにも掲載している。

また、次年度以降、他の都道府県についても順次掲載予定としている。

伝統食のPR動画

海外向けに代表的な伝統食を紹介する動画を掲載している。

発酵食品に関する記事

伝統食を知る上で欠かせない、日本の奥深い発酵文化を詳しく紹介している。発酵の歴史や、現代における発酵の役割などがまとめられている。英語版もあり、国内外での情報発信に活用されることが期待される。

 

「にっぽん伝統食図鑑」の活用方法

「にっぽん伝統食図鑑」は、伝統食の品目の歴史や文化、特徴を「知る」ことができる。また、伝統食を使ったアレンジレシピを「作る」ことができる。さらに、伝統食の品目画像をダウンロードして「活用する」ことができる。

伝統食に関する情報収集、SNS等での情報発信、家庭での調理、外食企業でのメニュー化や食品製造企業での商品化など、様々な場面で活用されることが期待される。

 

 


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.