業界最大手のSOMPOケアは4月の役員人事で代表取締役社長が交代。損保ジャパンで執行役員を務めていた鷲見隆充氏が新たに就任した。
鷲見新社長は編集部の単独インタビューに対し、介護施設や介護付きホームなどの人員配置基準を現行の3対1から緩和していく構想について、「チャレンジすることが大事」と表明。現役世代が急減していく今後の人材確保の難しさを指摘しつつ、「10年後、15年後、2.5対1など現在の人員配置を本当に維持できるのならそれでいい。回らなくなる状況がじわりじわりと迫ってきている」との認識を示した。
あわせて、「介護サービスの質は絶対に落とさない」と強調。〝人間でなくてもできる業務〟をテクノロジーで大幅に効率化したり、間接業務を補助的なスタッフに任せたりして現場の負担を減らすとしたうえで、「品質を伴う生産性向上が最も重要」と念を押した。また、「ご利用者さまのため、全ての職員のため、社会全体のため、そうした〝三方良し〟の仕組みを構築する」とも語った。
介護付きホームなどの人員配置基準をめぐっては、政府の規制改革推進会議でSOMPOケアが現行の3対1を緩和していくことを提案した経緯がある。国はSOMPOケアらとともに、モデル事業を通じた実現可能性の検証などを進めていく方針。鷲見新社長はこの検証について、「我々はデータをしっかり出すだけ。それを客観的に判断してもらえれば」と述べた。