人手不足が深刻さの度合いを増すなか、介護職は日々の事務的な仕事をより手際良くこなしていかなければならない。モバイル端末はその重要な基盤の1つで、より多くの現場へ届ける取り組みの意義は大きい。
サブスクリプション型のクラウド介護ソフト「カイポケ」などを展開しているエス・エム・エスは11日、介護事業者へのタブレット、スマートフォンのレンタル提供数が7万台を超えたと発表した。「業務効率をしっかりと向上させることに拘ってきた。コストパフォーマンスも評価して頂き、これまで順調に増加してきた」としている。
「カイポケ」は保険請求をはじめ、介護事業者の経営をサポートする幅広い機能を有する。導入している事業所は、今年4月1日時点で全国に約4万5200事業所。
モバイル端末のレンタルも付随サービスの1つ。エス・エム・エスは2014年からタブレット、2018年からスマホの貸し出しを始めた。これらを現場に広く行き渡らせて生産性の向上を促すとともに、「カイポケ」の機能を十分に活かしてもらえる環境を作り出すことなどが狙いだ。
「自宅などではタブレットで事務作業を行い、外出先ではスマホで業務報告や引き継ぎを行う。そんな働き方を実現する事例が増えてきた」
エス・エム・エスの担当者はこう説明。「ICT化は介護報酬の加算取得の面でも重要。引き続きタブレットやスマホの導入を後押しし、事業所の経営改善や介護職の働き方改革、サービスの質の向上などをサポートしていきたい」と意欲をみせる。
また今後について、「現状はカイポケ会員を中心にモバイル端末を提供しているが、より多くの事業者に使ってもらえるよう商品開発をしていく」との考えを示した。