2020年3月9日 Newドギーバッグアイデアコンテスト 名前とパッケージデザインをそれぞれ募集

農林水産省と環境省、消費者庁、ドギーバッグ普及委員会は、飲食店等で、消費者が食べきれずに残した料理を持ち帰ることを習慣とする機運を醸成していくため、「Newドギーバッグアイデアコンテスト」を開催する。

我が国の食品ロスは、年間643万トン(平成28年度)発生している。その内訳をみると、外食産業からの発生が2割を占め、食品産業の中では食品製造業と並んで多く発生している。

このため、ホテルや宴会場を含む飲食店に対し、食品ロスの削減に向けた取り組みを促していくことが求められる。また、食品ロスには消費者の食べ残しも多く含まれているため、削減については消費者にも働きかけていく必要がある。

農林水産省では、こうした状況を受け、昨年5月に消費者庁、環境省と連携して、外食での食品ロス削減に向け、まずは「食べきり」を、それでも残った料理については「持ち帰り」をしてもらうよう、「外食時のおいしく『食べきり』ガイド」を作成し、飲食店と消費者の双方に実践を促してきた。しかし、いまだに「持ち帰り」は一般的に行われているとは言い難い状況にある。

今回の「Newドギーバッグアイデアコンテスト」は、こうした背景を踏まえ、飲食店と消費者との相互理解のもとで、食べきることができなかった料理については消費者が自己責任で持ち帰ることを習慣とする機運を醸成していくことを目的に行われる。

 

名称とパッケージの2部門

応募は「ネーミングの部」と「パッケージデザインの部」の2部門で行われる。

「ドギーバッグ」の名称は、家で待つ飼い犬のため(と言い訳をして)持ち帰るということに由来するといわれている。

「ネーミングの部」では、「せっかく提供された料理は、食べきることができなかった場合でも、自分や家族のために持ち帰って、食品ロスの削減にもつなげたい」との気持ちを分かりやすく伝えるため、「飲食店等で食べきることができなかった料理を持ち帰る行為」についての新しいネーミングを募集している。

「パッケージデザインの部」では、実際に利用者が持ち帰るために、持ち帰りやすく、魅力的なデザインで、かつ衛生面にも配慮された持ち帰り用のパッケージデザインを、一般の部と中学生以下の子供の部の2区分で募集している。

また、応募は形状、素材を含め全く新しいデザインの容器を提案する方法と、既存の容器の形状を活用し、印刷される絵柄等に関するオリジナルデザインを提案する方法の2つがある。二つ目の方法では、福島県が作成した「Take Out Box」、ドギーバッグ普及委員会の作成するリターナブルなドギーバッグの各白紙バージョンを特設サイトよりダウンロードすることができる。

両部門とも、環境省「食品ロスポータルサイト」内の特設サイトにて5月15日まで応募を受け付けている。

結果の公表は、6月頃の予定。「ネーミングの部」では1点を選定、公表する。「パッケージデザインの部」では、最優秀賞を一般の部から1点、優秀賞を一般の部から2点、子供の部から1点、奨励賞を一般の部から3点以上、子供の部から2点以上選定する。このほかに特別賞も設けられる予定だ。

 

審査の視点・ポイント

「ネーミングの部」については、「飲食店等と利用者との相互理解のもと、利用者が衛生面のリスクなどを十分に理解した上で、自己責任で料理を持ち帰り、食品ロスを減らす取組を行うことが、スマートなライフスタイルであることが伝わるか」、「広く一般的に抵抗なく受け入れられる言葉であるか」、「ものを大切にする日本文化を表した言葉であることや、日本を訪れる海外の方々にも伝わりやすい言葉であることが望ましい」という観点から審査が行われる。

「パッケージデザインの部」については、①機能面、②デザイン面、③衛生面、④環境面それぞれの観点で審査が行われる。

①では、「料理を持ち帰る上で、こぼれ等の不安なく安心して持ち帰ることができるか。また、手で持つまたは鞄に入れる等の方法で持ち帰る際に、持ちやすい形状、デザインとなっているか」、「繰り返し使うことを想定する場合、利用者が自ら飲食店等に持参する、または日常的に持ち歩くことを想定し、持ち運びをしやすい形状、デザインとなっているか」、「飲食店等から提供する場合、店舗での容器の保管や組立、配布、料理の詰め替えに適した形状か。また、飲食店等が導入する際、普及しやすい価格で制作できる見込みがあるか」などといったことが審査される。

②では、「使ってみたいと思えるような魅力的なデザインか」、「利用者以外に対しても、自己責任で料理を持ち帰り食品ロスを減らす取組を行うことが、スマートなライフスタイルであることが伝わり、広まっていくようなデザインであることが望ましい」などといったことが審査ポイントとなっている。

③では、「持ち帰る時間等を考慮し、衛生的な状態を必要な時間維持できるか(例:異物が混入しづらい構造、菌の繁殖を抑える素材の利用など)」、「繰り返し使うことを想定する場合、家庭で洗いやすく衛生的な状態を保つことができるか」などといったことが審査される。

④では、「環境負荷の少ない素材(例:リサイクル材や再生可能資源など)を使用しているか」、「繰り返し使える、リサイクルしやすいデザインとするなど、ライフサイクルでの環境負荷を減らす工夫をしているか」などがポイントとしてあげられている。


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