国際協力機構(JICA)と(株)リクシルグループは、業務連携・協力に関する覚書を締結した。
署名は、JICAの北岡伸一理事長とリクシルグループの瀬戸欣哉取締役代表執行役社長兼CEOとの間で行われた。
今回の覚書は、トイレの普及などを通じた途上国の衛生の改善や安全な水の確保等に向けて、双方が行う活動の効果を増進させ、持続可能な開発目標(SDGs)ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」の達成に貢献することを目的としている。
わが国は水・衛生分野でODA(政府開発援助)による協力実績額の第1位を10年連続で占めておいる。
JICAでもこれまで途上国の上下水道に関する施設の整備に加え、法制度や運営管理人材の能力強化などに注力してきた。
また、リクシルはコーポレート・レスポンシビリティ戦略として「グローバルな衛生課題の解決」や「水の保全と環境保護」を掲げ、安価な開発途上国向けの簡易式トイレシステム「SATO」を開発し、これまでにアジアやアフリカを中心に計25カ国以上でソーシャルビジネスを展開している。
今回の覚書の締結を受け、JICAとリクシルは、トイレの普及状況や衛生環境に関する調査、衛生的なトイレの普及に向けた啓発や教育などの活動を通じた連携協力を推進していく。
途上国での幅広いネットワークや多様な援助スキームの実績を有するJICAと、国や地域の衛生事情にあわせたソリューションを提供し、トイレの生産・販売・管理体制の構築に努めるリクシルが相互補完的な効果をもたらすことで、開発途上国の衛生環境の改善に対し、より包括的な支援を実現することが期待される。