農林水産省では、経済連携協定(EPA)を利用して、より有利な条件で日本産農林水産物・食品の輸出に取り組めるよう、1月29日に「EPA利用早わかりサイト」を開設した。この中では、輸出先国のEPA関税率が一目でわかる「EPA関税率早見表」など、EPA利用に必要な情報がわかりやすく掲載されている。また、多様化するEPAのルール等について事業者からの相談を受け付ける「EPA利用相談窓口」も設置されている。
わが国が締結した経済連携協定(EPA)を利用すれば、22の国・地域に対して、通常の関税率よりも低い税率(通称EPA税率)で輸出することができる。しかし、この税率は毎年変わり、同じ輸出先でもEPAにより適用税率や原産地規則が異なる。事業者からも、「EPAごとに税率を調べるのは困難だ」との意見も寄せられている。
このため、農林水産省は今回、輸出重点品目について通常の関税率、EPA税率、原産地規則を一度に見ることができる早見表を策定した。これにより、「○○を○○国に輸出したい」といった場合に、輸出したい品目と輸出先国の欄を見れば、EPAを利用すればどれくらいメリットがあり、どのEPAを利用すれば最も関税率が低いか、原産地規則がどうか、一目でわかるものとなっている。このほか、EPAごとに異なる原産地証明書の制度や様式等もわかりやすく掲載されている。
また、原産地規則をはじめEPAが多様化するなかで、EPA利用にあたって生じる様々な疑問、質問、意見等を受け付けるため、EPAの利用を専門とするEPA利用相談窓口を設置した。「EPAの利用方法を知りたい」、「自分の輸出品目がEPAを利用できるのか教えてほしい」、「輸出したい品目のHSコードや輸出先の関税率がわからない」、「原産地規則の内容がよくわからない」、「第一種特定原産地証明書の取得方法が知りたい」、「自己申告書の書き方がわからない」、「第一種特定原産地証明書と自己申告書のどちらを利用したほうがよいか知りたい」、「ベトナムに輸出する場合に、CPTPP、日ASEAN協定、日ベトナム協定のうち、どの協定を使ったらよいかわからない」、「品目別原産地規則の内容がわからない」、「EPAのルールが厳しすぎて、利用できずに困っている」など、農林水産物・食品の輸出におけるEPAの利用にあたっての疑問などに対応するとしている。