東京大学は、「数理・情報教育研究センター」を2月1日付けで設置し、活動を開始した。喫緊の課題となっているAI(人工頭脳)やビッグデータ解析などを担う人材育成を目的とするもので、理系・文系を問わず学内のさまざまな分野が協力して取り組む東大独自のシステムである『連携研究機構』として新設した。東大は北大など6大学でコンソーシアムを形成して数理・データサイエンス教育の強化に取り組んでおり、コンソ事業とともに取り組みを進め、成果を他大学にも展開する方針だ。
同センターは、高大接続に始まり、理論的手法を学ぶ〝数理〟と、システム構築能力を学ぶ〝情報〟を学部から大学院に向けた『横糸』に、文系分野を含む幅広い分野での活用に必要な能力と経験を培う〝応用展開〟を『縦糸』にして、総合的な教育基盤を整備する。①数理情報、②数学基礎教育、③基礎情報、④応用展開―の4部門で構成し、数学情報部門では、数理・データサイエンスを中心とした体系化された教育基盤の整備を、数理基礎教育部門では、数学の基礎の構造化と体系化された数学基礎教育の整備を目指す。
また、基礎情報部門では、応用システム実現に必要となる情報学的基盤の整備とシステム構築に必要となる教育体系の構造化を図り、応用展開部門では、文系分野も含むさまざまな分野への展開を進める。さらに総合的視点に立ったカリキュラムの構造化・体系化も推進する。さらに、産業界とも連携し、関連分野の教育体系を産学連携で行う予定。