文部科学省が取りまとめた令和4年度の教員勤務実態調査速報によると、40歳以下の在校時間や、部活動顧問の週当たり活動日数に減少のきざしが見られたが、依然として長時間勤務の教師が多いことが明らかになった。
前回の平成28年度調査と比較して、平日・土日ともに全ての職種において在校時間が減少したものの、依然として長時間勤務の教師が多い状況。平日については、主に、「授業(主担当)」、「朝の業務」、小学校の「学習指導の時間」が増加し、「学校行事」、小学校の「成績処理」「学校経営」、中学校の「学年・学級経営」「生徒指導(集団)」の時間が減少している。土日については、主に、「学校行事」、中学校の「部活動・クラブ活動」の時間が減少している。
8月の長期休業中の平日(20日)のうち、所定の勤務時間を勤務した日数は、小学校5.6日、中学校8.4日だった。ただ8月の勤務日に係る在校等時間は、10・11月と比べて短い。
教諭の平日の在校等時間は、小学校・中学校ともに特に40歳以下の減少幅が大きい。小中学校共に有給休暇の取得日数が増加している。部活動顧問の週当たりの活動日数は減少している。また、ほぼ全ての小学校・中学校で、学習評価や成績処理について、ICTを活用した負担軽減に関する取組が実施されている。
今回の調査は、平成31年1月の中教審答申において、働き方改革の取組の進展を把握すべく、平成28年度教員実態調査と比較できる形で、3年後を目途に勤務実態の調査を行うべきとされたことや、令和元年給特法案に対する附帯決議においても、3年後を目途に教育職員の勤務実態調査を行った上で、給特法の抜本的な見直しに向けた検討を加え、その結果に基づき所要の措置を講ずることが求められていることを踏まえ、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況等を把握・分析することを目的として実施した。
文科省では、調査速報を踏まえ、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況等に関し、今後、学識経験者による研究会において報告とりまとめに向けた分析を進めつつ、処遇の改善をはじめ、働き方改革、学校の指導・運営体制の充実を一体的に検討していく方針。