2024年3月13日 2020年食料品アクセス困難人口は904万人 全65歳以上人口の25.6%、75歳以上は566万人

農林水産政策研究所は2月27日、食料品アクセス問題に対処するため、2020年の食料品アクセス困難人口(店舗まで直線距離で500m以上、かつ、65歳以上で自動車を利用できない人)の推計結果をとりまとめて公表した。それによると、2020年における食料アクセス困難人口は904万人と推計されている。また、3月19日にこの推計結果を含む説明会(研究成果報告会)が「食料品アクセス問題の現在―2020年食料品アクセス困難人口、ミクロでの影響、ローカルでの対応―」を演題にオンラインにて開催される。

 

顕在化する食料品アクセス問題

近年、飲食料品店の減少、大型商業施設立地の郊外化等に伴い、過疎地域だけでなく都市部でも高齢者を中心に食料品の購入に不備や苦労を感じる消費者が増えており、食料品の円滑な供給に支障が生じる等の「食料品アクセス問題」が顕在化している。

今回公表された食料品アクセス困難人口の推計結果は、この「食料品アクセス問題」に対処するためにとりまとめられた。

 

推計結果のポイント

2020年における食料品アクセス困難人口は、全国で904万人と推計され、全65歳以上人口の25.6%だった。このうち、75歳以上は566万人、全75歳以上の31.0%であり、食料品アクセス困難人口のうち75歳以上の占める割合は63%だった。データが異なるため連続しないが、2015年との比較では全国9.7%増加、このうち75歳以上では5.7%増加であった。

 

《食料品アクセス困難人口の定義》

令和2年国勢調査(2020年)地域メッシュ統計と店舗の所在地がわかる情報から、店舗(生鮮食料品小売業、百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア(2015年以前にはドラッグストアは含まれない))まで直線距離で500m以上、かつ、65歳以上で自動車を利用できない人を「食料品アクセス困難人口」として推計している。この点については、過去の研究事例等から、徒歩で無理なく買い物に行ける距離として500mを設定し、買い物での不便・苦労を感じる人の多くが自動車を利用できない65歳以上の高齢者であることから定義している。

 

食料品アクセス困難人口の動向(年齢階層別):農林水産省資料より

 


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