2019年1月22日 2018年版救助・救急の現況 救急出動件数、搬送人員ともに過去最多

消防庁がまとめた「2018年版 救急・救助の現況」によると、2017年中の救急出動件数(消防防災ヘリコプターを含む)は、前年より13万1889件、2.1%増の634万5517件で、搬送人員は11万4630人、2.0%増の573万8664人であった。そのうち、救急自動車による救急出動件数は13万2183件、2.1%増の634万2147件、搬送人員は11万4868人、2.0%増の573万6086人となり、救急出動件数、搬送人員ともに過去最多となっている。

救急自動車による救急出動件数の内訳を事故種別ごとにみると、急病が406万1989件、一般負傷が96万5376件、交通事故が48万1473件などとなり、急病と一般負傷は増加している一方で、交通事故は減少している。また、救急自動車による搬送人員の内訳では、急病が368万6438人、一般負傷が88万3375人、交通事故が46万6043人などとなり、急病と一般負傷が増加している一方で、交通事故は減少している。

年齢区分別の搬送人員では、高齢者が337万1161人、成人が188万3865人、乳幼児が26万5257人などとなり、高齢者の搬送割合が増加している。

傷病度別の搬送人員では、軽傷(外来診療)が278万5158人、中等症(入院診療)が238万7407人、重傷(長期入院)が48万2685人などとなり、総搬送人員に占める軽傷の傷病者の割合は、約5割のまま横ばいとなっている。

救急自動車による現場到着所要時間(入電から現場に到着するまでに要した時間)は全国平均で0.1分増の8.6分、病院収容所要時間(入電から医師引継ぎまでに要した時間)は前年比横ばいの39.3分となり、現場到着所要時間、病院収容所要時間ともに延伸傾向にある。

 

■ 心肺蘇生を行った一般市民は57%

17年中に一般市民が目撃した心原性心肺機能停止傷病者数は2万5538人で、そのうち一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者数は1万4448人(56.6%)となっている。

一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者数のうち、一般市民がAEDを使用し除細動を実施した傷病者数は1260人で、そのうち1ヵ月後生存者数は674人(53.5%)、1ヵ月後社会復帰者数は576人(45.7%)となった。

17年中の全国の救助活動の状況は、救助出動件数9万2336件(対前年比2256件、2.5%増)、救助活動件数5万6315件(833件、1.5%減)、救助人員5万7664人(291人、0.5%減)であった。

消防防災ヘリコプターは、昨年11月1日現在、全国45都道府県に合計75機配備されている(総務省消防庁ヘリコプター5機を含む)。

17年中の消防防災ヘリコプターの救急出動件数は3370件(294件、8.0%減)、救助出動件数は2028件(145件、6.7%減)であった。

その他に、火災出動件数は1110件(298件増)、情報収集・輸送等出動件数は244件(99件減)となり、すべての出動件数を合わせた合計は6752件(240件減)となった。


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