厚生労働省は9日、2021年の「国民生活基礎調査」の結果を公表した。
それによると、65歳以上の単独世帯は742万7000世帯で過去最多となった。厚労省は要因を「高齢化が進展したため」と説明。1人暮らしの高齢者は今後も増えていく見通しだ。
この調査は昨年6月に行われたもの。実施は2年ぶりで、前年はコロナ禍の影響で見送られた経緯がある。
高齢者の単独世帯のうち、75歳以上の割合は56.9%。80歳以上も37.9%を占め、3分の1を上回っていた。
高齢者の単独世帯を性別でみると、男性が35.7%、女性が64.3%。75歳以上の割合は、男性が43.6%、女性が64.2%となっている。
夫婦で暮らす世帯なども含めた高齢者世帯全体は、1506万2000世帯。今回初めて1500万世帯を超えた。国内の全世帯に占める割合も29.0%まで上がり、こちらも過去最高を更新している。
■ 子育て世帯の4分の3以上で母親が「仕事あり」
さらに、18歳未満の子どもがいる世帯で、母親が「仕事あり」と答えた割合は75.9%で初めて4分の3を上回った。このうち、正社員の割合は29.6%、非正規の割合は37.3%だった。厚労省の担当者は、「保育の受け皿整備や子育て支援策の充実などが影響しているのではないか」と述べている。
また、「仕事なし」の割合は24.1%。中でも0歳児がいる世帯で母親が「仕事なし」の割合は39.8%、1歳児のいる世帯の割合は35.1%、2歳児のいる世帯の割合は35.6%と、子どもがまだ小さい世帯は母親が仕事をしていない傾向が見て取れた。一方、3歳児の世帯(27.0%)、4歳児の世帯(26.0%)、5歳児の世帯(22.7%)など、子どもが大きくなるにつれて、母親が仕事をする割合は高くなっている。