農林水産省、経済産業省関東経済産業局、(独)中小企業基盤整備機構関東本部(中小機構)は、食関連分野におけるオープンイノベーションを促進するため、昨年度に引き続き、10月27日に「食関連分野オープンイノベーション・チャレンジピッチ」を開催する。この取組を通して、大手企業の持つニーズと、中小企業やスタートアップ等の持つシーズをマッチングさせて、オープンイノベーションによる農林水産業・食品産業の振興を目指すとしている。
「『知』の集積と活用の場」と「OIMS」
「食関連分野オープンイノベーション・チャレンジピッチ(OIチャレンジピッチ)」は、農林水産省の「『知』の集積と活用の場」、経済産業省の「オープンイノベーション・マッチングスクエア(OIMS)」といった、両省が持つオープンイノベーションの取組を連携させたもの。
「『知』の集積と活用の場」は、農林水産業・食品産業分野に異分野の知識・技術・アイディアを導入し、産学連携でのオープンイノベーションを目指す取組。この取組を行う場である「産学官連携協議会」には、令和5年3月末時点で4597の企業、大学・研究機関、生産者等が会員として参加しており、会員間で178の研究開発プラットフォームが形成され、オープンイノベーションによる研究開発、ビジネス化が行われてきた。
「OISM」は、オープンイノベーションを通じた新たな価値創出のため、共同開発・協業ニーズを発信する共創サイト。経済産業省関東経済産業局と中小機構が運営している。これまで596件のニーズ発信に対して6674件の提案があり、1101件の商談を実施することで、地域企業の新事業創出を支援してきた。
第2回OIチャレンジピッチでは37件の商談が生まれる
OIチャレンジピッチでは、共創・連携のパートナーを探したい食関連分野の大手企業が各社のニーズを発表し、「OIMS」上で中小企業・スタートアップ等からの提案を募集する。
昨年開催された第2回「OIチャレンジピッチ」では、8社が登壇して23件の連携ニーズを発信した。その結果、228件のシーズ提案があり、37件の商談が生まれた。多くの連携のきかっけとなり、好評を得たことから、今年も開催されることとなった。
プログラム・登壇企業と発表テーマ
当日は、まず、農林水産省担当者からの開会挨拶、関東経済産業局の担当者からの趣旨説明が行われる。
続いて、大手企業のニーズ発信(5社)が実施される。日本ハム株式会社新規事業推進部マネージャーの望月太郎氏が「食品製造から発生する副産物等の有効利用について~食品以外への利用~」、有限会社ワタミファーム代表取締役社長の井関俊幸氏が「有機農業拡大のための効率化アップときく芋加工技術」、フジッコ株式会社イノベーションセンター上席執行役員・センター長の丸山健太郎氏が「大豆由来機能性素材の活用による、社会課題の共創解決」、東洋製罐グループホールディングス株式会社新規事業推進室遺伝子検査Gエキスパートの国正英彦氏が「『くらしのプラットフォーム(情報容器プラットフォーム)』へ向けた具体的な取組」、雪印メグミルク株式会社常務執行役員の森隆志氏が「共に考える、乳・乳製品、酪農の未来~無脂乳固形分(脱脂粉乳など)の利用拡大・新たな価値創造~」について発信する予定。
このほか、農林水産省・関東経済産業局から国の施策が紹介される。