2016年6月17日 食塩量、気にしつつも目標値守れず 医師の半数、4割弱は「気にしていない」

生活習慣病の予防に向けて、厚生労働省が定めている食塩の摂取量について、医師のおよそ半数が「気にしているが、目標値は守れていない」と答えたことが10日、国内の医師約10万人以上が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」の調査でわかった。

同サイトは、厚生労働省が定めた食塩摂取基準を、医師が守れているのか調査を実施。5月30日から6月5日にかけて、会員の医師4021人から有効な回答を得た。

 

■「目標値を日本食で守るのは厳しい」

結果をみると、「気にしているが、目標値は守れていない」と回答した医師が、全体の49.8%にあたる2002人で最も多かった。アンケートでは、「意識してはいるが、実際にはこの数値は相当気にしないと日本食では難しい」(40代、麻酔科、女性)や、「当直では出前を取る。これだけでも月に10回はあるから、外食が多くて食塩過多になっていると思う」(30代、産婦人科、男性)、「日々実際に食塩量を計算してまで食事をしたことがない。1度だけ尿で測定したら10g程度であった」(40代、一般内科、男性)などの意見が寄せられた。食塩が多くなりがちな日本食の特性や、生活が不規則になりやすい医師の勤務体系、食塩を測ることの難しさといった点が基準を守ることを困難にしていると考えられる。

 

■ 医師本人の血圧の高低も関係か

次いで多かったのは、「気にしていない」と答えた1498人(37.3%)。こちらは、「夏場の汗を多くかくときは塩分を多めにとるという考えもあります。運動してよく汗をかくので気にしていません」(50代、小児科、男性)や「もともと薄味が好きなのと、血圧が低めなので、ほとんど気にしていません」(40代、精神科医、女性)といった意見が寄せられた。

逆に「気にしており、目標値を守っている」という答えは、521人(13.0%)と最も少なかった。回答者からは、「血圧が高いのでかなり気にしている。昨年入院した時、6g/日で始めは辛かったが、慣れました。患者さんにも必ず慣れると言っています」(60代、循環器内科、女性)をはじめとする声が寄せられている。

食塩摂取量の目標値について、厚労省は2015年4月に食事摂取基準を改訂し、生活習慣病予防のため1日あたり、男性で8.0g/日未満、女性は7.0g/日未満に引き下げた。

wadai20160617

調査:「食塩摂取量の目標値を守れているか?」(MedPeerより引用)


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