2019年11月7日 食事への関心度調査の結果 若年・中年層で「食べること」への関心低下

日本公庫農林水産事業は、「令和元年7月消費者動向調査」で実施した、食事への関心度などについての調査の結果を公表した。

20歳代から70歳代までの男女2000人(男女各1000人)に対し、食べることへの関心度や食生活の実態を聞いたところ、全体の約8割が食べることに関心があることが分かった。平成28年実施の前回調査に比べて、60代を除く全ての年代で関心が低下している。

一日の食事回数では、「朝昼晩3回」が約7割。また、20代の3割以上は朝食を食べておらず、その割合は3年前の前回調査から6.9ポイント増加している。

朝食(主食)は「ごはん」と「パン」の2品目で8割を占め、年代が低くなるほど「ごはん」が多く、年代が高くなるほど「パン」が多い傾向となった。

食事の購入先は「スーパー」が最も多く、年代が上がるほど利用している傾向がみられた。

ごはん、パン、野菜、肉類、魚介類の今後の摂取意向については、ごはん、パン、肉類は「変わらない」が約7割、野菜、魚介類は「増やしたい」が約半数となった。

 

年代があがるほど食べることに関心をもつ傾向

食べることへの関心度を聞いたところ、食べることに「大いに関心がある」、「関心がある」、「やや関心がある」との回答割合を合わせて76.5%の人が食事への関心を示した。その割合は、前回調査の82.2%と比べると5.7ポイント減少している。

年代別にみると、年代が上がるほど食べることに関心を持っている割合が高くなる傾向にある。前回調査からの低下幅に着目すると、60~70代に顕著な動きはなく、20代~50代で食べることへの関心が大きく低下していた。

「食べることに関心がある」と答えた理由については、「おいしいものを食べること」との回答割合が66.8%で最多となり、前回調査比では9.9ポイント増加している。また、若い世代ほど「おいしいものを食べること」、「おなか一杯になること」との回答割合が高く、高齢世代ほど「色々な種類・味のものを食べること」や「人と一緒に食べること」の割合が高くなる結果となった。

 

食事の回数「1日3食」が減少。20代の3割超が朝食を食べない

一日の食事回数について尋ねたところ、「朝昼晩3回」との回答割合が71.9%で最多となった。その割合は、前回調査から3.5ポイント減少している。

年代別に「昼晩2回」、「昼1回」、「夜1回」を合わせた「朝食を食べない人」の割合は、20代が34.1%で、前回調査から6.9ポイント増加している。

一日の理想の食事回数については、「朝昼晩3回」との回答割合が77.6%と最も多くなったが、現実との比較では5.7ポイント低くなっている。一方で、「昼晩2回」は理想よりも現実の方が5.7ポイント高くなっている。

 

朝食は年代が上がるほど「パン」が多く、年代が下がるほど「ごはん」が多くなる傾向

朝食について、主にどのようなものを摂っているか、「主食」、「主菜」、「主食・主菜・副菜以外のもの」に分けて聞いたところ、主食では「ごはん」の52.9%、「パン」の31.4%と、この2品目が中心となっている。年代が低くなるほど「ごはん」が多く、高くなるほど「パン」が多い傾向にあることが分かった。また、年代が高くなるほど何らかの「主菜」、「主食・主菜・副菜以外のものを摂っている割合が高くなっており、高齢世代ほど主食、主菜、汁物などを合わせたバラエティのある食事をしていることが伺える結果となった。

昼食については、主食は「ごはん」との回答割合が55.7%で朝食と同様最多となった。次いで「麺類」が20.2%、「パン」が14.1%で続いている。「麺類」は60代、70代での回答が多く、同年代の約3割が昼食の主食として主に麺類を食べているという結果になった。

夕食についても、主食は「ごはん」が81.8%で最も多くなった。主菜は「豚肉」が30.7%で最も多く、次いで「魚介類」が24.4%で続いている。魚介類は年代が高くなるほど割合が高くなる傾向にあるのに対し、豚肉は世代間で大きな差はなく、幅広い年代で食されていることが分かった。

 

夕食は9割以上が手作りの品を食べている

食事の際に手作りのものを食べているか調査したところ、朝食、昼食では約3割が「一汁二菜程度の手作りの品」を食べていると回答した。夕食では、64.0%が「一汁二菜程度の手作りの品を食べている」と回答し、「一部手作りのものを食べている」との回答割合26.1%と合わせて約9割の人が手作りの品を食べているという結果となった。

 

食事の購入先は「スーパー」が過半超。年代が上がるほど利用する傾向

食事をどこで購入するかの問いに対しては、「スーパー」との回答が最も多かった。その割合は、朝食については76.8%、昼食については67.6%、夕食については85.8%となっている。また、年代が高くなるほど利用している傾向にある。「コンビニ」は昼食での利用が多く、特に30代は14.2%が昼食の購入先を「コンビニ」と回答している。

 

約半数が野菜、魚介類の摂取量を「増やしたい」

ごはん、パン、野菜、肉類、魚介類について、今後の摂取量の意向を調査した結果、主食のごはん、パンについては約7割が「変わらない」とするも、約2割が「減らしたい」と回答しており、「増やしたい」の回答は1割未満だった。一方、野菜、魚介類は「増やしたい」との回答が約半数となり、「減らしたい」は僅少となった。肉類は「変わらない」が約7割、「増やしたい」が約2割となった。


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