厚生労働省は17日、風疹ワクチンの接種に関するフォトレポートを公開した。歌手のクリス・ハートさんを起用したポスターやリーフレットを作成。同省内で行われた発表会見には、ハートさん本人も登場し、ワクチン接種を呼びかけた。
現在、風疹の予防に向けては、麻疹と混合の通称MRワクチンの定期接種が1歳と小学校就学前(5歳以上7歳未満)に1回ずつ受けることになっている。しかし、平成2年4月2日以前に生まれた人はワクチンを1回しか受けていない人が多く、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回もその機会がなく、十分な免疫を持たない人達が蓄積していたものと考えられている。
そのため、ポスターではワクチン接種が2回必要であることを強調。特に2回目を忘れることがないよう注意を促している。
風疹は、かつては大きな流行が発生していたものの、1994年以降、国内での大流行は見られなくなった。現在では、海外で感染した旅行者らが帰国後に発症する「輸入感染」が多くを占めている。症状では、高熱や発しんが長く続いたり、関節が痛くなったりするのが特徴。妊娠20週頃までの女性が感染すると胎児にも感染し、生まれてくる子どもの耳や心臓に障害が残る可能性がある。2012年度・2013年度の大流行では、障害を持った先天性風疹症候群の赤ちゃんが45人出生している。
会見でクリス・ハートさんは、「お子さんは2回の風疹ワクチンの接種を忘れないで下さい、また、大人は抗体検査を行って下さい」と呼びかけた。
ポスターとリーフレットは厚労省のホームページで閲覧可能。同省は、ポスター3000枚を作成し、都道府県や関係学会を通じて配布していく。