順天堂大学と日本IBMは13日、メタバース技術を活用した新たな医療サービスの研究・開発に乗り出すことを発表した。仮想空間にバーチャルホスピタルを作り、患者や家族が事前に病院を体験できる環境を整備。そこにユーザーが訪れ、医療従事者や患者、家族などと交流できる仕組みの構築も目指す。
順天堂バーチャルホスピタル(イメージ)※リリースより引用
バーチャルホスピタルでは、説明が複雑になりがちな治療を疑似体験することによって、治療に対する患者の理解を深めたり、不安や心配を軽減できるか検証することも想定している。
さらに、外出が難しい入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」も構築する考え。これらは短期実施テーマとして、今年中に試作品を発表する予定だ。
また、中長期実施テーマとしては、メタバース空間の活動を通じて、メンタルヘルスなどの疾患の改善が図れるのかといった点も学術的に検証していく。
医療業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、臨床現場でのオンライン診療の活用が拡がっている。一方、加増現実(VR)や拡張現実(AR)の技術進化を受けて、臨床現場でのVR・AR活用に向けた研究が進んでいる。3次元の仮想空間でアバターを通じて活動する「メタバース」についても、応用が進むことが予想されている。
順天堂大学医学部長・研究科長の服部信孝氏は、今回の取り組みで医療分野におけるメタバース技術の導入・活用の研究を進めると発言。「研究成果をメタバースでの新たな医療サービスとして社会実装し、患者の体験向上やメンタルヘルス改善などの場面において、社会に還元していく」と述べている。このほか、日本アイ・ビー・エムヘルスケア事業担当執行役員の金子達哉氏は、「デジタルテクノロジーが人の温かみを届けられる世界を順天堂医院と共同で構築し、一人一人の健康に役立つプラットフォーム・サービスの提供を目指していく」と意気込みを語った。