経済産業省は、障害のある方への合意的配慮の提供に関する取組(情報保障や意思疎通への配慮)として、(株)アイシンの協力を得て、2023年度グッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)を受賞した文字起こしアプリケーションと機器を1月11日から3月29日の約3ヵ月間試行的に受付窓口に設置する。
合理的配慮の提供とは、行政機関等や事業者が事務・事業を行うに際し、個々の場面で障害者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった時に行われる必要かつ合理的な取組であり、実施に伴う負担が過重でないもの。(例:段差に携帯スロープを渡す、筆談、読み上げ、手話などの意思疎通等)
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」において、行政機関等における合理的配慮の提供は義務となっている。
令和3年5月に同法が開始され、施行日である令和6年4月1日からは、事業者における合理的配慮の提供が義務となり、行政機関等としても引き続き、合理的配慮の提供や支援措置等の取組が重要となる。
経産省としては、令和5年12月22日に、同省職員における障害のある方への対応のあり方を定めた「経済産業省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」を改訂し、合理的配慮の提供に一層取り組んでいく。この度、その一環として、(株)アイシンの協力を得て、2023年グッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)を受賞した音声認識システム「YYSystem」を試行的に設置する。
「YYSystem」は、音声をリアルタイムにアプリで認識、文字におこしその情報をディスプレイに表示することが可能なシステム。このシステムの活用により、音が聞こえない、聞こえにくい、障害のある方等も安心して庁舎に来訪いただける。
また、音声を多言語翻訳し日本語と同時に表示することができるため、日本語が話せない方との来訪疎通も円滑に行うことができる。
試行的に設置する期間では、経産省本館受付窓口や会議室で活用することを予定している。
経産省では、試行期間中の活用状況を踏まえ、合理的配慮の提供のあり方を検討していく方針だ。