東京都は7日、「健康と保健医療に関する世論調査」の結果を公表した。自宅療養を希望する都民に、実現可能か尋ねたところ、約半数が「難しいと思う」と答えていた。理由では家族への負担などを心配する声があがっている。
調査は昨年の10月21日から11月6日にかけて、都内に住む18歳以上の男女3000人を対象に行われた。このうち、全体の56.0%にあたる1680人から有効な回答を回収している。
まず、長期療養が必要になった場合、自宅で治療を受け続けたいと答えた都民は32.2%、受けたくないと答えた人は38.2%だった。一方、自宅療養を希望した人に、それが実現可能か尋ねたところ54.7%は「難しいと思う」と回答。自宅療養を希望しない人と「在宅療養は難しい」と答えた人を合わせた938人に、理由を複数回答で聞いたところ、割合が最も多かったのは「家族に負担をかけるから」の74.1%だった。次いで、「急に病状が変わったときの対応が不安だから」が44.3%「在宅医療や在宅介護でどのようなケアを受けられるかわからないから」が26.5%で続いている。
関心のある保険医療問題はなにかを複数回答で質問したところ、最も多かった答えは「脳卒中・心臓病・がん・糖尿病など生活習慣病」の43.3%だった。次いで、「認知症や寝たきりなどの高齢者のための医療や介護制度のあり方」が35.9%、「医療費の負担のあり方」33.6%と続く。
■ 夜間・休日診療や救急体制の整備を求める声
さらに、医療に関する行政への要望を複数回答で質問したところ、トップは「夜間・休日診療や救急医療体制を整備する」の51.0%だった。そのほかでは、「高齢者などが長期療養するための病院や介護施設を整備する」(38.9%)、「地域の中心となる病院を整備する」(36.8%)、「地域の医院・診療所と大きな病院との連携によって医療機能の向上を図る」(33.5%)、「高齢者の介護予防や在宅医療、リハビリテーション医療体制を整備する」(26.3%)などが続いている。