内閣府は2日、災害時の避難に援助が必要な人の行動を開始するようアナウンスする「避難準備情報」の名称を変更する案を示した。今後は「避難準備・高齢者等避難開始」を軸に年内にも決定する方針だ。
「避難準備情報」は、一般の人に避難の準備を促すほか、高齢者や障害者など避難に援助が必要な人に行動を開始するという2つの意味がある。なお、アナウンスには緊急度によって3段階あり、より緊急性の高い場合は「避難勧告」が、最も高い場合は「避難指示」が出される。
しかし、今年8月の台風10号による豪雨では、岩手県岩泉市が情報をアナウンスしていたにもかかわらず、市内にあるグループホームなどが意味を理解していなかった。それが避難の遅れる一因となり、入所者9人が亡くなる事態につながった。このため、内閣府は有識者会議を設置。意味をわかりやすく伝える名称を議論していた。
■ 新名称は最大で15字
検討会では、緊急速報メールやテレビの字幕などで使われることを前提に、「新しい名称は、できるだけ短く、最大でも15字とすること」を望ましいとした。さらに、静岡大学防災総合センターの牛山素行教授が今年11月に実施したアンケートで、「避難準備情報」を、「知っている・今年から知った」という答えが約8割に上るなど、浸透しつつあることから「『避難準備』等の名称は残すべき」と結論付けた。また、
NHK ONLINEの
・「避難準備」→「避難に時間のかかる人は避難開始」
・「避難勧告」→「速やかに避難を」
・「避難指示」→「直ちに非難を」
Yahoo! JAPANの
・「避難準備」→「要援護者など避難に時間のかかる方は避難行動を開始してください。それ以外の方は家族等と連絡を取り、非常用持ち出し品の用意をするなど、避難準備を開始してください」
・「避難勧告」→「該当地域に居住する方は計画された避難場所などへの避難行動を開始してください」
・「避難指示」→「人的被害の発生する危険性が非常に高い状況です。直ちに非難してください」
‐など、「すでにメディアで使われている表現も参考にすべき」(各情報が持つ意味を名称に付記、色使い等)であるとしている。