アジア最大規模の福祉機器などの展示会、「国際福祉機器展 H.C.R.2018」が10日から12日にかけて、東京・江東区の東京ビッグサイトで行われた。
主催者の保健福祉広報協会によると今年は過去最大規模だ。参加企業は自治体などのブースに出展した75社もあわせて621社。来場者は3日間で11万9452人に及んだ。
会場は業界の縮図と言われる。福祉車両や電動ベッド、介護浴槽、排泄装置、車いす、スロープ、介護食、ユニフォームなど多様な製品がずらり。最新の技術を駆使したソリューションが並び、介護報酬改定をめぐる議論でも焦点となる見守り機器や介護ロボット、事務ソフトなどが関心を集めていた。普段はあまり気に留めない意外なところに着目したアイディア商品にも出会える。施設・事業所の経営者や現場の職員、メーカー関係者、外国人、高齢者、障害者などで大いに賑わっていた。
今年の特色としては、2020年の東京パラリンピックを見据えた「パラスポーツコーナー」があげられる。実際の競技用機器が展示され、アスリートによるトークショーも催される。ウィルチェアーラグビーや車いすバスケの現役選手によるデモンストレーションもあった。来場者がボッチャを体験できる場所も用意されている。
「福祉機器開発最前線」のエリアでは、製品化に向けて開発が進められている最新のテクノロジが紹介されていた。
例えば、災害などでインフラが寸断されても使用できる初のバリアフリー多目的トイレ「MP‐1」。専用の処理剤を使うことで悪臭を少なくできる。溜まった排泄物を固形にして焼却したり肥料化したりすることも可能だ。室内はほとんどの車いすが回転できる広さを確保。全体のサイズは2tトラックに搭載可能な範囲におさめた。ゆくゆくは下水インフラのない新興国への展開も考えているという。