2023年5月22日 運航管理システムを国際規格化 安全・効率的なドローンの社会実装に向けて

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」で、日本電気㈱、(株)NTTデータ、(株)日立製作所の3社が規格化を進めてきたドローン運航管理システム(UTM)の機能構造に関する標準規格が、国際標準化機構(ISO)より、国際規格として正式に採択・発行された。

これにより、世界各国でドローンに関わるステークホルダー同士が国際規格で定義された言葉を用いて議論できるようになることで、世界的な技術共有やドローンの社会実装の加速に貢献する。

現在、世界中でドローンの社会実装に向けてUTMの開発が進んでいる。日本国内でも昨年12月の改正航空法の施行に伴い、「無人航空機の有人地帯での目視外飛行(レベル4)」が解禁されるなど、環境整備や研究開発が活発化している。しかし、UTMに関わる用語や機能構造は国ごとにさまざまな定義が存在し、グローバルで共通理解のもとでの議論が難しいといった課題があった。

今回、UTMの機能構造を国際標準化したことで、世界各国のドローンに関わるステークホルダーが運航管理に必要な機能を共通的に定義された言葉で議論できるようになる。これにより、ドローンを活用したシステムに求められる具体的なサービス・機能要件や、システム全体のアーキテクチャーの検討、ステークホルダー間の機能実装分担、システムの調達などの調整を齟齬なく実施できるようになるという。

UTMは複数のシステムやサービス群が相互に連携して機能するもの。今回発行された国際規格「ISO 23629‐5」は、ドローンが安心・安全・効率的に運航できるようUTMが提供すべき機能と各機能間の関連性を構造的に整理した。登録管理機能、空域情報管理機能、飛行計画管理機能、位置情報管理機能、報告作成機能、情報提供機能―の6つの機能群に構成を整理した。

今後は、世界各国のドローンに関わるステークホルダーが今回採択された国際規格に基づいたUTMの開発を進める。NEC、NTTデータ、日立の3社は、UTMが提供する機能を、物流・点検・測量などのさまざまな分野におけるドローン産業で活用することで安心・安全・効率的なドローンの運航を支援し、社会課題の解決の一翼を担うとともに、便利で安全な空のインフラ構築に寄与することを目指す。

 


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