東京ビッグサイトで開催されている「CareTEX2019」で7日、日産自動車の常務執行役員の伊藤由紀夫氏が講演した。
伊藤氏は通所介護などの高齢者の送迎について、「さらなる高齢化や介護人材の不足でドライバーの確保が一段と困難になる」と指摘。「完全自動の無人運転による送迎、これが最も究極の解決策。そんなの夢でしょうって思われるかもしれないが、かなり近づいてきた。2020年代半ばには実用化される」と述べた。
日産は既に、完全自動運転サービス「Easy Ride」の開発をDeNAと進めている。スマートフォンの専用アプリで車両を呼んだ利用者を、ドライバーなしで目的地まで運んでいく。横浜市で実施した昨年の実証実験は、約300組の一般モニターも参加して大きな注目を集めた。
伊藤氏は講演で、「誰でも、好きな場所から自由に移動できるサービスを提供していく。高齢者や障害者なども安心・安全に外出でき、移動中の時間を有効に活用できる環境を作る」と説明。「いわゆる交通弱者、買い物難民の問題も解消する。我々はテクノロジーで、イノベーションでチャレンジしていく」と語った。