2021年4月16日 農業機械の自動走行ガイドラインを改正 ロボット小型汎用台車に対応 農水省

農林水産省は、ロボット農機の安全性確保のためにメーカーや使用者が遵守すべき事項等を定めた「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」について、ロボット小型汎用台車に対応する改正等を行った。

「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」は、ロボット技術を組み込んで自動的に走行・作業を行う車両系の農業機械(ロボット農機)の安全性確保を目的として、リスクアセスメントの実施など安全性確保の原則や関係者の役割等を定めた指針。使用者がほ場内、またはほ場周囲から監視しながら無人で自動走行させるトラクターの実用化を見据え、平成29年3月に策定された。

このガイドラインについては、農業におけるロボット技術の導入が途上の段階であることから、新たなロボット農機の開発状況等を踏まえて必要に応じて改正することとしている。

今回の改正では、ロボット小型汎用台車(荷の運搬や、機体に搭載した作業機による作業(農薬散布など)を行う小型のロボット農機)に対応し、同機に必要な安全性確保策の規定が盛り込まれた。具体的には、一時的に目視が不可能な条件下における、監視用モニター等を用いたほ場内遠隔監視に必要な安全性確保策が追加されている。さらに、通行の禁止または制限を行った農道においてロボット農機を使用する場合の農道の通行制限申請、実施、事故発生時の対応に関する記載が追加された。

 

ガイドラインのポイント

「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」では、使用者がほ場内やほ場周辺から監視しながら無人で自動走行させる方法によって、屋外農作業に用いるロボット農機を対象としている。具体的な機種として、衛星測位情報を利用して自動走行するトラクター・田植機・自走式草刈機・自走式小型汎用台車のほか、茶園管理用自走式農業機械があげられている。

また、使用上の条件として、「製造者等に定められた目的、場所においてのみロボット農機を自動走行させること」、「自動走行している作業領域内に第三者が侵入しないよう、注意喚起を行うとともに、監視できる環境で使用すること」、「激しい降雨による視界不良時等、監視が難しい環境では自動走行させないこと」などが規定されている。

さらに、関係者の主な役割・順守すべき事項が示されている。

製造者等(メーカーなど)については、「リスクアセスメントと保護方策(自動停止装置等)によってロボット農機のリスクを低減すること」、「リスクが低減しない場合には、使用上の条件を見直すか、製品化を取りやめること」、「販売者等と連携し、導入主体や使用者に対して、ロボット農機の安全使用の訓練を行うこと」としている。

導入主体(農法人等)については、「使用を想定しているほ場や周辺環境を確認し、危険性を把握して対策を講じること」、「ロボット農機を適切に管理し、安全に使用されていることを随時確認すること」としている。

使用者(農業法人の従業員等)については、「ロボット農機の安全使用の訓練を受講し、ロボット農機を適切に使用すること」、「第三者の接近や、ロボット農機のほ場外への飛び出し等の可能性が生じた場合には、ロボット農機を直ちに停止させること」としている。


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