認知症の人と家族の会は7日、米食品医薬品局(FDA)がアルツハイマー病の新たな治療薬「レカネマブ」を正式に承認したことを受けて声明を発表した。決定を歓迎しつつ日本での早期承認を求めている。
鎌田松代代表理事は声明で、「アルツハイマー病治療への道が大きく開かれ、明るい兆しが見えた」と評価。「日本でも1日も早くこの新薬が承認され、対象となる人たちが身近な医療機関で、適切な価格で安全に使えることを望む」と呼びかけた。
「レカネマブ」は製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発した治療薬。アルツハイマー病の原因となるたんぱく質「アミロイドβ」を脳内から除去し、認知症の進行を抑制する効果が期待されている。
エーザイは今年1月、医薬品の安全性などを審査するPMDA(医薬品医療機器総合機構)に国内での製造販売の承認を申請。審査結果は今年秋にも明らかになる見通しだ。
■「引き続き適切・迅速な審査を」
加藤勝信厚生労働相は7日の閣議後会見で今後について、「今回の米国での動きを参考に、引き続き有効性・安全性などの適切かつ迅速な審査が行われるものと考えている」と述べた。