警察庁は20日、昨年1年間に認知症が原因で行方不明になったと届け出を出された人が1万6927人にのぼったと発表した。
前年から1064人の増加。統計を始めた2012年から6年連続で過去最多を更新している。
認知症関連の行方不明の届け出を年齢別にみると、80歳以上が8857人、70代が6577人。70歳以上で全体の9割超を占めている。
2017年以前に受理された届け出も含め、2018年中に所在が確認された認知症関連の行方不明者は1万6227人。発見に至る人は少なくない。
見つかるまでの期間は届け出の「受理当日」が73.4%。地域の関係者の努力もあり、その日のうちに解決するケースも多くなっている。
ただ亡くなってしまう人も多い。昨年中に死亡が確認された認知症関連の行方不明者は508人だった。
政府は新たな「認知症施策推進大綱」に、交通安全の確保や見守り体制の構築、捜索ネットワークの強化、ICTの活用などを盛り込んだ。今後も対策を強化していく構えをみせている。