テムザックと高山商事が共同で、施設内を廻る見守りや異常時の駆けつけ、情報通知などを担える介護ロボット「SOWAN(ソワン)」を開発した。「時給88円」から導入できる新たなパートナー、と売り込んでいる。
車の自動運転にも使われている最新の360度全方位センサーなどを搭載。精度の高い巡回や衝突回避を実現したとしている。
見守りには入居者の腕に装着するウェアラブルの活動量計を用いる。ここからサーバへ送られるバイタルデータが設定値を超えると、「SOWAN」が自動で居室へ向かう。入室と同時にカメラで録画を開始。職員はそれを遠隔で確認し、「SOWAN」を通じて本人と話すことも可能だ。
活動量のデータは居室のタブレット端末や管理者用の端末でチェックすることができる。
顔認証の技術も搭載されている。例えば夜間。頻繁に徘徊する入居者など事前に登録された人を発見すると、「SOWAN」はその人を認識して声をかけられる。公式動画では「お部屋へお戻りください」と話すシーンが紹介されているが、こうしたセリフは時間帯などに応じて変更できるという。
このほか、自動充電や転倒者の検知・通報などの機能も用意されている。
活動量計やタブレット端末、管理者用のスマートフォン、後付けで引き戸を自動ドアに変えられるシステムなど、必要な付属品がパッケージされたリースの基本プランは月額6万6000円。1ヵ月の744時間(31日×24時間)で割ると、およそ88円の時給から「SOWAN」に働いてもらえる計算になる。
受注の受け付けは先月から始まった。テムザックと高山商事は、極めて重要な課題となっている介護現場の人手不足の解消や職員の負担軽減に貢献していくと説明。「SOWAN」はとりわけ夜勤帯をサポートする役割を果たせるとPRしている。