2021年12月8日 要介護者のおむつ、最適なサイズを測定 スマホで写真撮影、身体データ入力で

衛生用品などを手掛けるユニ・チャームとAIによる身体サイズ推定技術を展開するBodygram(ボディグラム)は、スマートフォンで要介護者の写真を撮影し、必要なデータを入力するだけで最適な紙おむつのサイズを診断できるサービスを今月から始める。両社はおむつ選びにも洋服や日用品のように、マスカスタマイゼーション(※)の概念を取り入れていく考え。今回の取り組みを通じては、サイズが合わないことで発生していた漏れや擦れなどの解消を目指していくという。

今回新たに始まる「大人用おむつカウンセリング」は、スマホ1つでおむつの最適なサイズがわかるサービス。具体的にはまず、ユニ・チャームのLINE公式アカウントをフォローし、チャットトークにある「スマホでかんたん 最適サイズ診断」をクリックして起動する。その後、要介護者本人の写真を2枚撮影し、身長・体重・性別・年齢を入力することで、おむつサイズの診断に必要な太もも、ウエスト、ヒップが自動で計測できる仕組みだ。

厚生労働省の調査によると、今年9月末の介護保険の第1号被保険者数は3587万人、要介護(要支援)認定者数は688万人にのぼっている。このように高齢化が進む日本では、大人用紙おむつのニーズが増加。ユニ・チャームの調査では、高齢者介護の72.3%が排泄のケアを行っているとしている。一方で、おむつユーザーからは、大きなサイズの着用による漏れの発生や、小さいサイズの着用によって皮膚が圧迫されてしまうといった悩みが寄せられていた。

そのためユニ・チャームは、2018年よりチャットボットを採用し、24時間問い合わせが可能な「大人用おむつ NAVI」を開設。寄せられる問い合わせの件数は、スタートから4年間で約4倍に増加し、そのうち約6割が紙おむつの「適切な商品」や「最適なサイズ」を調べていることもわかった。また、大人用紙おむつの購入を目的に店頭へ来た人の約9割が介護者で、要介護者へ相談しないまま普段の洋服や下着のサイズを参考に紙おむつを購入し、その結果要介護者に適さないサイズを使用しているケースが約4割にのぼることも判明した。

 

※ マスカスタマイゼーション

少品種多量生産により生産コストを下げる「マスプロダクション(大量生産)」と、顧客の要望に応じて仕様変更を行う「カスタマイゼーション(受注生産)」を掛け合わせた言葉。実施には「顧客ニーズのデータ化」や「設計・製造の自動化・効率化」などが必要で、PC販売大手のDellや独クルマメーカーのBMWなどが有名。


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