経済産業省は、「支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」(座長:三谷慶一郎株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所主席研究員エグゼクティブ・コンサルタント)での議論等を踏まえて、3月27日、「DX支援ガイダンス:デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ」と別冊事例集等を策定した。
DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる中小企業の労働生産性や売上高は大きく向上しており、労働人口の減少や市場縮小等の課題に直面する全ての中堅・中小企業にとって、DXの取組は必要不可欠となっている。
一方で、特に人材・情報・資金が不足している中堅・中小企業等は独力でDXを推進することは難しく、地域の伴走役たる支援機関によるDX支援という「新たなアプローチ」を追求することが有効であると考えられる。
こうした背景から、経産省では昨年11月に「支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」を立ち上げ、中堅・中小企業等に対するDX支援の在り方について、全国各地域において実際にDX支援に取り組む様々な支援機関のヒアリングも含め、全10回にわたって、議論を重ねてきた。
この議論を取りまとめる形で、支援機関が中堅・中小企業等に対してDX支援を実施する際に考慮すべき事項について解説した、「DX支援ガイダンス」を新たに策定した。
このガイダンスでは第1章「本ガイダンス策定の背景・目的」において、その位置付けを明らかにした上で、第2章「企業DXの考え方及び現状」において、DXの考え方や特に中堅・中小企業等のDXの現状について解説している。
その上で、第3章「DX支援の考え方・方法論」において、DX支援の重要性や想定される主な支援機関、DX支援へのコミットメント、DX支援のアプローチ拡大に向けた考え方、DX支援の具体的な方法論を中心に考え方を整理し、第4章「支援機関同士の連携」において、支援機関同士の連携の意義や考え方を提示している。
また、第5章「DX支援人材の在り方」では、DX支援人材のマインド・スキルセットや人材の考え方を提示している。
このガイダンスを通じて、全国各地の支援機関にはDX支援により中堅・中小企業等の企業価値が向上し、支援機関自身にも様々な利益が生まれるとの共通認識が醸成され、「本業支援」としてのDX支援が定着し、地域経済の持続的な発展をけん引していくことが期待される。
同日に策定された別冊事例集は、DX支援に積極的に取り組まれている全国各地の支援機関の事例を整理したもの。
事例集では、ガイダンスの内容に則り、「DX支援の取組」、「支援機関同士の連携」、「DX支援人材」の観点から、各支援機関の取組事例と「支援機関に向けたメッセージ」も併せて整理している。