総務省は1月14日、国土交通省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省や防衛省とともに社会資本のメンテナンスに係る優れた取組を表彰する第8回「インフラメンテナンス大賞」において、「総務大臣賞」と「情報通信技術の優れた活用に関する総務大臣賞」等の受賞者を決定した。
インフラメンテナンス大賞は、日本国内における社会資本のメンテナンス(インフラメンテナンス)に係る優れた取組や技術開発を表彰し、好事例として広く紹介することにより、我が国のインフラメンテナンスに係る事業者、団体、研究者等の取組を促進し、メンテナンス産業の活性化を図るとともに、インフラメンテナンスの理念の普及を図ることを目的に実施するもの。
第8回目となる今回は、令和6年5月10日から同年7月12日まで募集したところ、302件の応募があった。有識者による選考委員会(委員長:家田仁政策研究大学院大学 特別教授)の審査を経て、次のとおり、「総務大臣賞」、「情報通信技術の優れた活用に関する総務大臣賞」及び情報通信関係施設分野の「特別賞」の受賞者を決定した。
【総務大臣賞】
ア メンテナンス実施現場における工夫部門
業務DXロボットugo(ユーゴー)を使ったデータセンター設備点検業務の自動化/遠隔化(代表団体名:株式会社NTTデータ)
概要:自律走行・遠隔操作が可能な業務DXロボット「ugo」を活用し、24時間365日稼働が必要なデータセンターの設備点検を効率化している。AI技術を搭載したロボットugoが電源設備室の自動点検を行い、異常時は遠隔から即座に現場の様子を確認することが可能となる。この取り組みにより、日次点検時間の約50%削減や点検頻度と品質の向上、さらには夜間や人手が少ない時間帯のトラブルへの迅速な対応が実現でき、働き方変革や業務効率化に寄与している。
【情報通信技術の優れた活用に関する総務大臣賞】
ウ 技術開発部門
トンネル覆工展開図自動作成システム(代表団体名:株式会社伸浩技研)
概要:トンネル点検時の変状展開図作成は、従来、覆工にマーキングされた変状の形状や寸法を、点検員が手作業でスケッチし、そのスケッチを基にCADトレースし、覆工変状展開図の作成を行っていた。本システムでは、3次元レーザースキャナを使用し、覆工にマーキングされた変状の形状や寸法を高精度かつ高速に3次元カラー画像として取得するとともに、専用ソフトウェアを使用することで、覆工画像展開図および覆工変状展開図を自動で作成できる。これにより、現場でのスケッチ作業、点検調書作成を効率的かつ高精度に作成することができる。
【特別賞】
ウ 技術開発部門
大津石山テレビ中継局にて新工法による短時間での送信アンテナ更新工事(代表団体名:エイチ・シー・ネットワークス株式会社)
概要:テレビ放送送信所の鉄塔頂部に取り付けられている送信アンテナパネルを重機を使用せずに短時間で取付柱ごと交換、更新する工法である。既設のアンテナが取り付けられたアンテナ取付柱と、新設のアンテナ取付柱を、鉄塔(または鉄柱)に取り付けた仮設ポールを中心に回転させ入れ替える工程を用いて新旧アンテナを交換、更新する。