経済産業省は、健康長寿社会の実現のため、ヘルスケアスタートアップによるイノベーション創出を促進するための取組を行ってきた。ヘルスケアスタートアップの更なる成長を支援する観点から、3月12日に「GROWTH & EXIT PLAYBOOK‐ヘルスケアスタートアップと事業会社間の連携・出資・買収のための手引書」を策定した。この手引書は、ヘルスケアスタートアップ及び当該スタートアップとの連携・出資・買収を検討する事業会社を対象とし、ヘルスケア業界に関する基本的な市場環境やビジネス領域ごとの課題について、グローバルな視点も交えてまとめている。
ヘルスケアスタートアップの数は2015年以降着実に増加しているが、国内のヘルスケアスタートアップは、他業界のスタートアップに比べ、サービスを利用することでペインポイントが解消できると証明するためのエビデンス作りや、実証フィールドとの連携などに課題を抱えている。加えて、エグジットの事例が少ないという現状も指摘されており、理想的なスタートアップエコシステムを構築するためには、スタートアップの成長戦略やエグジット戦略の立案が不可欠であり、事業会社との連携が鍵となる。
この手引書は、ヘルスケア産業の成長や適切なエコシステムの構築に向けて、ヘルスケアスタートアップと事業会社との間の連携・出資・買収を適切に推進していくことを目的としており、主に以下の事項を盛り込んでいる。
●ヘルスケアスタートアップの特徴・課題の整理
市場参入状況やヘルスケアスタートアップが抱える特有の悩みを整理
●ヘルスケアスタートアップの資金調達状況の分析
日本とグローバルの資金調達環境等を分析しつつ、潮流を読み解く
●ヘルスケアスタートアップのエグジット準備に係るチェックリスト
ヘルスケアスタートアップがエグジットを成功させるために確認・検討すべき事項を整理
●出資・買収に係るチェックリスト
ヘルスケアスタートアップへの出資・買収を進める際の確認すべき事項や視点を整理
●ビジネス領域・ステージ特有の課題
ヘルスケアスタートアップが成長戦略を描く際の課題と打ち手を整理