今年5月から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことを受け、社会経済活動の正常化が進みつつある一方で、物価高騰や人手不足の影響等により、依然として厳しい状況に置かれている事業者がいることや、年末・年度末に向けて、運転資金等の需要が高まることなどから、11月27日に開催された「事業者支援の促進及び金融の円滑化に関する意見交換会」で、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」も踏まえ、経済産業省、金融庁等から、出席した官民金融機関等に対し、中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化と、経営改善・事業再生支援等に万全を期すことについて要請した。また、同日付で、西村経済産業大臣、鈴木財務・金融担当大臣から、文書で全国の官民金融機関等に対して要請を行った。
要請の内容は次のとおり。
・融資判断に当たっては、現下の決算状況・借入状況や条件変更の有無等のみで機械的・硬直的に判断せず、経営改善につながるよう、丁寧かつ親身に対応すること。各種補助金支給までの間に必要となる資金について、事業者の立場に立った柔軟な資金繰り支援を実施すること。
・民間ゼロゼロ融資先について、民間金融機関による支援も時限的に対象に追加する「早期経営改善計画策定支援事業」も活用した、経営改善支援(モニタリングを含む)の積極的な実施と計画策定支援を通じた事業承継やM&Aなども含めた構造改革を後押しすること。
・保証協会において、民家ゼロゼロ融資中心の事業者に対して、民間金融機関と連携の上、早期に中小企業活性化協議会へ繋いでいくなどの主体的な対応を実施すること。
・処理水放出に伴う影響を受けている事業者に対して、民間金融機関等はセーフティネット保証2号の活用を促進すること。日本公庫はセーフティネット貸付の活用を促進すること。