農林水産省は、経済産業省が実施する「日本ベンチャー大賞」について、新たに農林水産大臣賞として「農業ベンチャー賞」を新設した。この賞は、農業ベンチャーを表彰する初めてのものであり、農林水産分野での起業に対する意識の高揚を図り、農林水産分野のイノベーションの創出を促すことを目的としている。現在、12月28日までの期間で募集が行われている。
「日本ベンチャー大賞」は、若者などのロールモデルとなるような、インパクトのある新事業を創出した起業家やベンチャー企業を表彰する制度。平成26年度から経済産業省によって実施されている。起業を志す人々や社会に対し、積極的に挑戦することの重要性や起業家一般の社会的な評価を浸透させ、社会全体の起業に対する意識の高揚を図ることを目的としている。
また、今年4月に日本経済再生本部によって、「ベンチャー・チャレンジ2020」がとりまとめられた。この中では、2020年を1つの目標として、わが国のベンチャー・エコシステムの目指すべき絵姿とそれを実現するための政策の方向性、民間等のエコシステムの構成主体との連携のあり方が示されている。これにより、政府関係施策の一体的な実施に向け、各府省庁・関係機関(研究開発法人等)を構成員とする政府関係機関コンソーシアムを設置し、アドバイザリーボードによる提案等も踏まえながら、真に効果的・効率的なベンチャー政策の実行、実現に努めていくこととしている。
農業関連ベンチャーの活躍や参入で農林水産分野のイノベーション創出
農林水産省では、こうしたベンチャー・チャレンジ2020の取り組みも踏まえ、第3回日本ベンチャー大賞で新たに農林水産大臣賞として「農業ベンチャー賞」を創設することとした。農林水産分野における起業に対する意識の高揚を図り、農家所得の向上に繋がる新たな技術やサービスを提供する農業関連ベンチャーの活躍や参入によって農林水産分野のイノベーションの創出を促進させることが狙いだ。
募集締切は12月28日。来年1月に審査が行われ受賞者が決定する予定。表彰式は2月に行われる。
「日本ベンチャー大賞」4つの表彰部門
「日本ベンチャー大賞」では、有識者で構成される審査委員会の総合的な評価の下で、①日本ベンチャー大賞(内閣総理大臣賞:1件)②女性起業家賞(経済産業大臣賞:1件)③ベンチャー企業・大企業等連携賞(経済産業大臣賞:1件)④農業ベンチャー賞(農林水産大臣賞:1件)が決定される。
①については、事業の新規性や革新性、グローバル市場への進出や社会課題の解決といった事業のビジョンなどに関し、最も評価の高いベンチャー企業が表彰される。②では、女性起業家から応募のあった案件で、わが国の女性起業家の範たるものとして最も評価の高いものが表彰される。③では、ベンチャー企業と大企業等の連携による新事業創出に関し、最も評価の高かったものが受賞する。④については、農林水産業への寄与度などに関して最も高い評価ものに対して付与される。