農林水産省は3月6日に「みどりの食料システム戦略技術カタログ」に掲載された技術をテーマとした「第2回みどり技術ネットワーク全国会議」を本省6階共用第2会議室で開催する。この会議は、みどりの食料システム戦略の実現に貢献する技術の社会実装を一層促進することを目的としたもの。当日はオンラインを併用し、パネルディスカッションやポスターセッション、質疑応答などが行われる。
現場への普及が期待される技術をとりまとめたカタログ
農林水産省では、みどりの食料システム戦略の実現に向けて、戦略で掲げた各目標の達成に貢献し、現場への普及が期待される技術について、「みどりの食料システム戦略技術カタログ」としてとりまとめている。
「第2回みどり技術ネットワーク全国会議」は、昨年開催された「みどり技術ネットワーク地域会議(全国9ブロック)」を受けて開催するもの。カタログ掲載技術の更なる普及、改良を目指し、これらの技術の紹介に加え、技術の開発者や技術を実際に活用している農業者等とのパネルディスカッションが実施される。
パネルディスカッションやポスターセッション
当日のプログラムでは、まず、農林水産省大臣官房技術総括審議官 兼 農林水産技術会議事務局長の堺田 輝也氏の開会挨拶に始まり、農林水産省大臣官房政策課技術政策室課長補佐の小花和 宏之氏が趣旨説明を行う。
続いて、4つのテーマごとにパネルディスカッションが行われる。
一つ目のテーマは「化学肥料減が期待される衛星データと可変施肥田植機の利活用」。ヤンマーアグリ株式会社開発統括部先行開発部の小島 右資氏、夷隅農業事務所改良普及課普及指導員の板倉 智貴氏らがパネリストとして参加する。
二つ目のテーマは「土づくりと減肥のための緑肥利用」。農研機構中日本農業研究センター温暖地野菜研究領域・グループ長の唐澤 敏彦氏、伊豆陽なたビオファーム代表の米倉 賢一氏らがパネリストとして参加する。
三つ目のテーマは「輸入花粉に依存しない国産花粉の安定供給システム」。鳥取大学農学部准教授の竹村 圭弘氏、埼玉県さいたま農林振興センター技術普及担当(南部)主任の柴崎 茜氏らがパネリストとして参加する。
四つ目のテーマは「混合有機質肥料を用いた土壌還元消毒」。片倉コープアグリ株式会社肥料本部アグリソリューション推進部技術推進課の土井 研一氏、福岡八女農業協同組合園芸指導課係長の中瀬 春幸氏らがパネリストとして参加する。
いずれのパネルディスカッションについても、農研機構本部みどり戦略・スマート農業管理役の豊島 真吾氏がモデレーターを務める。
次に、全体質疑応答が行われ、農林水産省大臣官房政策課技術政策室長の齊賀 大昌氏が閉会挨拶を行う。
また、ポスターセッション(地域会議における発表技術)が行われる。全国9ブロックで活用されているみどり技術が紹介される予定だ。
ポスターセッション(地域会議における発表技術)
▽北海道:国産濃厚飼料の生産利用技術「イアコーンサイレージ」(農研機構)
▽東北:作業の省力化とGHG削減効果「自動水管理システム」(岩手県)
▽関東:緩効性肥料や有機質資材の肥効見える化「土壌環境API」(農研機構)
▽北陸:減化学肥料栽培と指導農業士会を起点とした技術普及「高窒素鶏糞」(新潟県)
▽東海:データ利活用による環境負荷低減栽培と生産性向上「自動運転田植機、乾燥調製システム等」(みなみ農園)
▽近畿:露地ナスの減農薬栽培「土着天敵、天敵温存植物」(奈良県)
▽中国四国:収穫作業の軽労化「高能率キャベツ収穫機」(農研機構)
▽九州:化学農薬を使用しない除草体系「水田用除草機、除草技術」(オーレックR&D)
▽沖縄:土壌改良資材を用いた化学肥料の低減「保水保肥有機ポリマー」(EF Polymer)