農林水産省は、第1回みどり戦略学生チャレンジ(全国版)の農林水産大臣賞、大臣官房長賞の受賞チームを決定した。農林水産大臣賞は、高校の部では、失敗から気付きを得て研究を続け新しい肥料を開発した宮城県農業高等学校が受賞。大学・専門学校の部では、ドローンAIを活用しデータと発酵技術で有機農業の体系化を目指す沖縄工業高等専門学校が受賞した。また、2月8日に開催された「第1回みどり戦略学生チャレンジ全国大会」で表彰式が行われた。
大学生や高校生等によるみどりの食料 システム戦略に基づく取組を表彰
「みどり戦略学生チャレンジ(全国版)」は、みどりの食料システム戦略の実現に向けて、将来を担う若い世代の環境に配慮した取組を促すために、大学生や高校生等によるみどりの食料システム戦略に基づく取組を表彰するもの。
今回初めて表彰が行われたが、34チーム(高校の部:21、大学・専門学校の部:13)の全国大会出場チームの中から、審査委員による審査を経て、受賞チームが決定した。
各部門・各賞の受賞者
高校の部では、宮城県農業高等学校が「Re:温故知新」で農林水産大臣賞を受賞。北海道中標津農業高等学校が「微生物の力で生産性向上~光合成細菌を用いた持続的な地場産野菜の生産~」、茨城県立海洋高等学校と茨城県立水戸農業高等学校が「学校横断的な協働による循環型農水産業の構築」、長野県上伊那農業高等学校が「キノコのPowerで和牛の未来に活気を!~持続可能な生産基盤の実現に向けて~」、富山県立中央農業高等学校が「SDGs中農MIRAI米づくりプロジェクト~アイガモロボとドジョウを活用したアクアポニックス(Aquaponics)水稲栽培法の開発」、大阪府立農芸高等学校が「小規模ビール工房のビール粕飼料化による循環型計画」、沖縄県立中部農林高等学校が「冷凍技術で持続可能な農業へ~ドラゴンフルーツ農家を救え!起こせ!DF革命!~」で大臣官房長賞を受賞した。
大学・専門学校の部では、沖縄工業高等専門学校が「データと発酵をフル活用する循環型農業の実践」で農林水産大臣賞を受賞。北見工業大学が「EVクローラ型除草カルチ自動化ロボット」、千葉県立農業大学校が「スクミリンゴガイ駆除トラップによる環境保全型農業の実践と希少種保全活動によるブランド米開発」、神戸学院大学が「地域の未・低利用資源『竹』の有効活用法の検討~TAKE TAKE1 資源循環型農業の提案~」、鹿児島工業高等専門学校が「新規下水汚泥肥料を用いた茶栽培試験」で大臣官房長賞を受賞している。
受賞ポスター・発表動画を発信 若い世代の取組の深化と広がりに期待
受賞ポスターや発表動画、学校名等については、今後、農林水産省ウェブサイトや公式YouTubeチャンネル、農林水産省の様々な展示イベント等で活用・発信される。みどりの食料システム戦略が掲げる持続可能な食料・農林水産業を担う若い世代の取組の深化と広がりにつながることが期待される。