1日に睡眠を平均6時間以上とらない人が約4割に達したことが14日、厚生労働省の2015年「国民健康・栄養調査」でわかった。割合は2003年の調査開始以来で最も高くなっている。睡眠時間が十分確保できないことについて、男性は「仕事」、女性は「家事」を主な理由としてあげている。
調査は昨年11月に実施。20歳以上の男女約7066人の実態を調べた。それによると、1日の平均睡眠時間で最も多かった答えは、全体の34.1%を占めた「6時間以上7時間未満」だった。男女別の割合は、それぞれ33.9%と34.2%となっている。そのほか、「7時間以上8時間未満」と答えた人は18.5%、「8時間以上9時間未満」は5.9%、「9時間以上」は2.1%だった。
逆に睡眠時間が6時間未満だと答えた人は、全体の39.5%。割合は2007年の28.4%からほぼ毎年増加している。さらに、6時間未満の人のうち、男性は44.5%、女性は48.7%と約半数が「日中に眠気を感じた」と答えていた。「睡眠時間が足りなかった」と答えたのは、6時間以上の男性が8.7%であるのに対し、6時間未満の男性は34.6%。6時間以上の女性が10.1%であるのに対し、6時間未満の女性は39.5%にまで上っている。
さらに、睡眠の妨げになっている要素について複数回答で質問。「特に困っていない」や「その他」を除いた場合、男性は20歳代から50歳代までで「仕事」が最も多く、「健康状態」がそれに続いた。女性は20歳代が「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」が33.3%で最多。30歳代では「育児」が32.7%で、40歳代では「家事」が27.9%で最も高くなっている。
また、睡眠時間の確保に必要なことについては、「特にない」と「その他」を除き、20歳代から50歳代の男性は「労働時間の短縮」という回答が多数を占めた。女性は20歳代が「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中しない」、30歳代が「育児のサポート」、40歳代が「家事のサポート」だった。男女とも60歳代以上は「健康状態の改善」が最も高い割合となっている。