日本病院会は7月11日、「病院薬剤師確保に関するアンケート調査」の結果を公表した。それによると、74.9%の病院が「薬剤師が充足していない」と答えていることが分かった。
調査は今年6月に実施。2467施設を対象に行い、706施設から有効な回答を得た。
調査結果を病床規模別にみると、100床未満の規模では「薬剤師が足りない」と答えた病院が41.3%だったのに対し、100床以上200床未満では割合が58.0%に増加。最大規模の500床以上では、91.8%を占めるまでになっている。
薬剤師業務に関する診療報酬の有無でみると、「薬剤管理指導料」や「病棟薬剤業務実施加算」、「外来腫瘍化学療法診療料」といった項目を算定している病院は、こうした項目を算定していない病院よりも、「薬剤師が足りない」という答えの割合が高かった。
勤務体制では、平日の夜勤や休日勤務のある病院の方が、そうでない病院よりも割合が高い傾向を示している。
薬剤師の確保にあたって困っていること(複数回答)では、「調剤薬局の方が給与が良い」が77.3%で断トツのトップ。それに、「当該地域に薬剤師がいない」(33.3%)、「業務に対する給与が見合わない」(30.3%)が続いている。
人材確保に向けた施策(複数回答)では、「学会・研修会・講習会へ参加するための支援(金銭による)」が68.6%で1位。「院内チームへの参加や、薬剤部外への配置・関与」が57.4%で2位、「各種認定薬剤師・専門薬剤師の資格を取得するための支援(金銭による)」が44.9%で3位だった。