産業保健支援サービス「first call」を提供する株式会社Mediplatは8日、働き方改革に関する調査結果を公表した。それによると、企業による長時間労働是正に向けた取り組みについて、産業医の約7割が「改善されていると感じる」と答えていた。
調査は医師専用コミュニティサイトMedPeerに登録し、現在事業所で就業中の産業医500人を対象に実施。今年の6月4日から7日にかけて、インターネットを通じて行った。
企業の長時間労働是正に向けた取り組みの成果について、産業医の52%が「少し改善されていると感じる」と回答。14%が「かなり改善されていると感じる」と答えており、合わせて66%が改善していると評価した。一方、29%は「変わらない」、5%は「わからない」としている。
長時間労働の改善がうまくいっている企業の取り組みとしては、「組織的な業務改善」や「意識改革」、「ノー残業デーなど、強制的な残業規制」、「長時間労働者の管理・指導の徹底」など、意識や仕組み、ルールを変更して徹底させている事例が挙げられている。
効果が出ている施策
・「この人しか、この仕事ができない」という環境を、「複数の人が、この仕事に対応できる」という環境にした
・個人ではなく、職場全体での業務のスリム化をした
・無駄な作業の見直し。アウトソーシング化
・管理者や上長の意識改革と人事評価の見方の是正
・法令順守の姿勢がある企業は上手くいっている。また、長時間労働になる前に、月の途中で人事が本人と上司に警告している会社は、時間を意識して働けていると思います
・上手くいっているかどうかは、企業・管理者からの周知が徹底しているかどうかの違い
・もともとはお付き合い残業が多く、就労効率が高くなかった。時間の制限で、無理やりにでも作業効率が若干改善された
・週2日の定時退社日を設定し、時間になったら管理職から積極的に帰宅する。部下へも「帰りなさい」と呼びかける
・強制的な終業時刻の設定
・勤務時間、休憩時間、休日取得の把握。長時間労働者には注意勧告する。産業医出席の安全衛生委員会で毎月議題として取り上げる
・長時間残業時の産業医面談での指導を徹底
・有給休暇を5日以上必ず取らせる