2021年3月4日 環境科学分野で4課題採択 戦略的国際共同研究プログラム(JST)

科学技術振興機構(JST)は、国際科学技術共同研究推進事業・戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)AJ―CORE「環境科学」分野において新規課題4件の採択を決定した。

AJ―COREは、日本、南アフリカおよびアフリカ諸国の研究者による3ヵ国以上による国際共同研究により、双方の持続的発展と成長に向けてSDGsなどを中心としたグローバル・地域共通課題の解決に資する国際研究協力推進を強化することを目的としたプログラム。

南アフリカ国立研究財団およびサブサハラ地域15ヵ国の研究支援機関間の協働により研究開発力、研究管理方法および技術移転などの強化・改善を目的とする活動(SGDI)に参加するアフリカ諸国の研究支援機関と共同で研究課題を募集していたもので、12件の応募があった。

 

◆『アフリカにおけるフィールド及びメカニズムベースの農薬の毒性学的研究』
(日本:北海道大学大学院獣医学研究院石塚真由美教授、南アフリカ:ノースウェスト大学生物学部ビクター・ウェペンナー教授、ガーナ:クワメエンクルマ科学技術大学理学部オセイ・アコット講師、ザンビア:ザンビア大学獣医学部ジョン・ヤベ講師)
アフリカで喫緊の課題となっている農薬に焦点を当てて研究を行う。南アフリカ、ザンビア、ガーナからヒト/動物/環境試料を収集し、現場での農薬の毒性をメカニズムベースで解明する。アフリカにおける農薬の毒性効果を体系的に把握する初の国際調査。

 

◆『持続可能な水、エネルギー、生活、生態系保全のためのカリバ湖集水環境の評価』
(日本:北海道大学大学院農学研究院内田義崇准教授、南アフリカ:ウィットウォーターズランド大学化学科ルーク・チムカ教授、ザンビア:ザンビア大学地質学科イマシク・ニャンベ教授)
アフリカ南部に位置するカリバ湖を中心とした「カリバ集水域(CKC)」における水資源の複雑な利用、生態系の健全性、周辺住民の生活への影響を学際的に調査・評価することを目的とする。これを通じて、CKCにおける持続的なエネルギー利用、流域に暮らす住民の安定的な生活、生態系の持続可能性について検討する。

 

◆『西アフリカにおける食と生計のレジリエンス向上のための未利用植物種に関する研究』
(日本:東京大学未来ビジョン研究センターガスパラトス・アレクサンドロス准教授、南アフリカ:プレトリア大学フューチャー・アフリカ・シェイク・ムボウ教授・部長、ブルキナファソ:ワガドゥグー大学植物生物学・植物生理学部アジマ・チオビアーノ教授、セネガル:シェイク・アンタ・ジョップ大学植物生物学部メイム・サンバ・エムバイェ教授)
アフリカの気候変動や環境悪化に際し、持続可能な生活、十分な栄養、食料安全保障を確保するためには、多様な食料や原料の持続可能な利用が必要。西アフリカにおいて、まだ注目されていない、あるいは利用されていない植物種を調査し、気候変動に対する強さや農業生物多様性の保全を支援する可能性を検討する。

 

◆『アフリカの多様な環境における農業気候リスク管理のためのレジリエントeファーミングの開発』
(日本:鳥取大学乾燥地研究センター坪 充教授、南アフリカ:農業研究機構土壌・気候・水部門モヘレ・モレチィ農業気象研究チームマネージャー、セネガル:セネガル農業研究所国立栽培研究センターグヮルベルト・ドレゴ農業生物気候研究室長)
乾燥地における現在および将来の気候の季節性に対する作物の応答を理解するため、学際的な研究を行う。農地の脆弱性評価と気候変動の影響評価に基づいた干ばつ緩和戦略とともに、気候リスク管理のための意思決定支援システムの開発を目指す。


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