一般社団法人AgVenture Labは、農業者・農業団体向けポータルサイト「農辞苑」を正式リリースし、2月27日に全機能の提供を開始した。農辞苑は、農業を支援する数多くのサービスの情報を一元的に集約し、農業者が抱える課題の解決策を提供する。農業支援サービスをハブとして、提供者と利用者のマッチングを促進する画期的なポータルサイトである。サイトの利用は無料。農業に関わる人々の課題を明確にし、解決に資する支援サービスを検索でき、さらにはサービスを手掛ける事業者との商談までをサイト上でシームレスに実行できる。
AgVenture Labは、JAグループのイノベーションラボとして、農業現場が直面する多くの課題の解決を目指し、農業支援サービス事業者を積極的にサポートしてきた。こうした活動の中で、「農業者単独では適切なサービスを見つけることが困難だ」という課題を実感し、農林水産省による「令和4年度補正予算農業支援サービス事業インキュベーション緊急対策」を活用し、農辞苑の開発に取り組むことを決めた。
開発に際しては、現場の農業者・農業団体からヒアリングを重ね、意見を得た。農業者からは特に「情報収集の難しさ」や「新しい農業支援サービスにアクセスすることの重要性」といった意見が多く寄せられた。こうした声を踏まえて、必要な情報を一元的に集約する農辞苑を開発した。
農辞苑の特徴
《現場の声に基づいた課題の網羅》
農業者や農業団体からのフィードバックを基に、彼らが直面する課題を網羅的に整理し、それぞれに対応する具体的なサービスを提案する。利用者はトップページから質問に答えていくことで、自身が抱える課題を明確にすることができる。
《直感的なサービス検索機能》
営農規模、農業種目、地域など利用者の個別の条件に応じたサービスを検索することができる。JAグループとAgVenture Labが持つ広範なネットワークを活用し、利用者に最適なサービスを提案する。
《事業者との円滑なコミュニケーション》
農辞苑内のチャットツールを通じて、全国の事業者と気軽にコミュニケーションをとり、商談を進めることができる。
解決策を提供する「農業辞典」
「農辞苑」という名称は、農業に関わるあらゆる問題への解決策を提供する「農業辞典」というコンセプトから命名された。農業支援サービス事業者とのマッチングの場として活用されることが期待される。また、農業者の日々の営農活動をサポートする情報収集の場として活用されることを目指すとしている。
また、AgVenture Labは、より多くの農業支援サービス事業者が農辞苑に参加するよう促し、新たな出会いを通じて農業を取り巻くあらゆる課題の解決に貢献していくとしている。
AgVenture Lab
JAグループの全国組織8団体(全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会、全国共済農業協同組合連合会、農林中央金庫、一般社団法人家の光協会、株式会社日本農業新聞、全国厚生農業協同組合連合会、株式会社農協観光)が共同して2019年5月27日に開設したイノベーションラボ。社会的課題の解決に取り組むスタートアップ企業や起業家をJAグループのリソースも活用しながらサポートしている。