福祉医療機構は先月、特別養護老人ホームと介護老人保健施設の昨年度の経営状況を明らかにする調査レポートをそれぞれ公表した。
特養の赤字施設の割合は、従来型で48.1%。前年度より6.1ポイント上がっていた。ユニット型の赤字施設の割合も、34.5%へ拡大していた。
この調査は福祉医療機構が貸付先を対象に実施したもの。全国の5325の特養、1562の老健の昨年度決算などを分析した結果として、2月29日までに報告された。
老健の経営状況をみると、赤字施設の割合は41.6%。前年度から7.8ポイント悪化していた。
赤字施設が増えた要因として共通してあげられているのは、ベッドの稼働率の低下と光熱費の膨張だ。光熱費の膨張には、とりわけ電気料金・ガス料金の値上がりが大きく響いている。
福祉医療機構は特養について、「定員規模の小さい施設ほど経営状況は厳しく、赤字施設の割合が高い」と指摘。老健については、「経営環境が一層厳しさを増した。程度の差はあれ、強化型や基本型といった施設類型によらず経営状況が悪化している」と説明した。
また、来年度の介護報酬改定で特養と老健の基本報酬が引き上げられることなどを念頭に、今後の経営状況も引き続き注視すべきとまとめている。