2022年2月1日 海外留学「中学卒業時」に興味 日本財団若者調査 外国人労働者は肯定的意見

海外留学に興味を持ったのは、中学校卒業時が最多。コロナ禍で留学に興味のある若者の意欲は減退―。日本財団が17歳から19歳の若者を対象とした意識調査で、こうしたハイティーンの考え方が明らかとなった。一方で、外国人労働者に対しては4割近くが肯定的な見方をしており、労働力といった経済面だけでなく、日本人の国際感覚改善といった面でもメリットがあるとみている。さらに、外国籍の両親を持つ子どもに対する教育や福祉でのサポートを日本人同等に行うことにも、過半数が賛同意見を寄せた。

 

□コロナが与えた海外留学への意識、6割が「変わらない」

海外留学の予定・希望を聞いたところ、約6割が「留学に意欲・興味・関心はない」と回答し、「留学するか、できるかはわからないが、留学に興味・関心は持っている」は25.5%。「留学に意欲・興味・関心はあったが、諦めた・断念した」は8.2%だった。

海外留学に興味を持った時期は中学校卒業後が最も多く、37.6%で、次いで「中学校のころ」(29.2%)、「高校卒業後」(19.4%)と続く。興味を持ったきっかけとしては、「インターネットで海外留学に関する情報を目にした」が最多で25.5%となり、続いて「学校で海外留学に関する情報を目にした」「友人・知人に海外留学希望者や経験者がいた」「家族・親戚と一緒に海外に行ったことがある」が19.7%、14.5%、13.0%となった。

海外留学をしてみたい国のトップはアメリカで67.5%が回答し、2位はオーストラリア(39.3%)、3位はカナダ(32.2%)。実際の留学先も米、豪、加の順となっている。

海外や外国語に対する意識としては、「外国語の勉強をすることは、自分にとって意味がある」「出身国や文化が異なる人と交流することは、自分にとって意味がある」「外国語の勉強をすると、自分の将来の就職・転職・昇進にプラスに働くと思う」ということに関して、半数以上が「そう思う」と答えた。「外国に住む可能性」「外国で働く可能性」はそれぞれ約2割が同意した。

海外留学への意欲・興味・関心に対するコロナ禍の影響も聞いた。全体では60.7%が「コロナ禍の前後で特に変わっていない」とした。しかし、留学に興味がある層は48.6%と全体に比べて低く、「意欲・興味・関心は弱くなり、現在も弱いまま」が21.4%となった。

 

□外国にルーツ持つ子ども「日本人と同じ権利認められるべき」は過半数

外国籍調査では、外国人労働者に関しても考え方を尋ねた。半数以上が「自分や家族、親戚が通う学校」「職場」「自分の家の近所」に、「外国人労働者の子どもがいても抵抗はない」と答えた。また、留学への関心がある層とない層で比較すると、関心がある層の方が外国人労働者に対する抵抗は薄いことも明らかとなった。

さらに、「外国人労働者がわが国にとってプラス」になるか聞いたところ、38.6%が肯定的な姿勢を示し、否定的な意見は19.7%。プラスになるという意見では、「労働力の減少が抑えられる」「社会や経済が活性化する」「日本人の国際感覚が改善する」という点でメリットがあるとしている。

外国にルーツのある子どもとの接点としては、「自分の通う学校の同学年にいた」との回答が上位を占め、自分の通う小学校の同じ学年が32.5%、中学校が29.8%、高校が26.7%。外国にルーツのある子どもについて、「子どもの国籍を問わず、幼稚園・保育園、義務教育など自分と同等の教育が保障されるべき」という考え方に関しては、賛同意見が61.0%と最多。このほか、「両親がともに外国籍であっても、日本で育った子どもには日本に住み続けることを選択する権利が認められるべき」「子どもの国籍を問わず、健康保険や健診、予防接種など自分と同等の医療が保証されるべき」「児童手当など各種手当や生活保護など自分と同等の福祉が保障されるべき」も、それぞれ賛同意見が過半数を占めた。


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